終わりからの始まり
エピローグからのプロローグ
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で?
「ベルダンディー!応援頼む!!」
「螢一さーん!がんばって──!!」
声援により足の震えは止まり心に「勇気」という灯火が戻った。
「よし、届いた」
二度目の挑戦。受け取った「勇気」を胸に果敢にコースへ挑んでいく。
「女神の加護があってなにを恐れるんだ!!」
しかし高低差の激しい難関S字シケインで失敗した。奈落の底の水面に激突し──死んだ。今度は時間もたっぷり残っていた。
そう、螢一は「死」の感覚を味わった。覚えている、記憶している、身体のすべてが崩れ壊れていく感覚。
ティールは彼の身体を瞬間修復することで擬似的に「死を体験」させたのだった。
「自分は死なないとでも?私は君に三回チャンスをあげると言った。故に次に失敗した場合は助けないかもしれない。今度は本当に死ぬかもしれない──とは考えないのか?」
だけど……だけど、俺はただの人間だ。特別な力があるわけじゃないし、奇跡を起こせるなんて思えない。でもそれなら、だからこそ俺の全力を、総てをぶつけなくてどうするんだ。
一方、ゴールのベルダンディーは。
螢一さんが落ちた時本当に怖かった。足が震えた。息が止まった。本当に大切な人を失うという恐怖を、私は本当には理解していなかった。二度と会えないとしても、螢一さんには生きていて欲しいと思う。だけど同じぐらいに、螢一さんと一緒にいたいって思う。だけど螢一さんは走ってしまう。私のために走ってしまう。だから言えない。走らなくていいって言えない。私はわがままです。──私は女神失格です。
ティールは、螢一がまだ走れるとは思っても見なかった。擬似的に「死を体験した」のだ。人間は本能的に死ぬことを恐れる。だからこそ螢一がまだ立ち直れると思ってなかったのだ。
それも娘のため……か。だが、見せてもらおうか。
「どうする?ここでリタイアするか」
「やります!!」
「よし!!じゃあ、三回目行ってみようか。──と言いたいところだが、バイクが戻ってないな。何かのバグかな?すまん、もう一回作るから──」
「あ──」
天空に浮かぶ二台のバイク。黄金と白銀のバイク。
驚愕する一同の前に、封印されていたはずの湖の女神が現れた。
「あなたが落としたのは、この金のバイクですか?それとも銀のバイクですか?」
「お前!どうやって!」
「ゲートさんお静かに願います。業務中ですので」
「お……おう」
湖の女神は螢一を見下ろして。
「私は問うているのですよ。君が落としたのは金のバイクか銀のバイクか」
「え……あの、金とか銀のバイクじゃ走れないんで、俺のバイク返して下さい」
笑顔を浮かべる湖の女神。
「おめでとう!!あなたは正直者なので、この金と銀のバイクを差し上げます!」
螢一は焦っている。大事な試練の最中なのに相棒となる
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