終わりからの始まり
エピローグからのプロローグ
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ーはいろんな感情が混じり合ってフリーズしている。
「なんだ、いらないのか」
「え!? いいんですか!!」
「いやだめだけど」
がっくりと両腕を地面につく螢一。同時にベルダンディーは再起動した。
あらためてゲートは。
「このような姿であることは詫びねばならぬが、お初にお目にかかる。大天界長ティールだ。──おめでとう。君たちは試練に合格した」
ティールは顔を見合わせ喜びをともにする二人に。
「だが、父親と見破られてしまっては易々とはここを通せないな。ここは最後に、父親の壁も乗り越えてもらうとするかね。なるほど君たちは覚悟を見せてくれた。裁きの門はそれでいいだろう。しかし父親としてはまだ不足だ。なぜなら、螢一くんはまだ私に行動を持って示してくれてはいない。我が娘と結ばれたいのであれば、奇跡のひとつでも起こしてもらわねばな」
ベルダンディーは呆然と。
「そんな、裁きの門を通るのだって充分奇跡なのに」
「確かにちょと驚いたけどな。だが奇跡とは大天界長に、「そんなばかな」ぐらいのことを言わせねば、奇跡とは呼べまい」
「そんな……そんなのどうやって……」
呆然とする螢一。
「お膳立てぐらいはしてやろう。君の得意分野でな」
ティールは彼のBMWを再現した。そして攻略不能とも思われるコースを作り出した。コースアウトは無限の奈落。落ちれば命はない。
スタートに立つ螢一。ゴールにはベルダンディーがいる。
「ここを走ってベルダンディーのところまでだどりつけたら奇跡だろう?君はこのコースを三分以内に走りきるんだ」
「初見で三分!! そんなの絶対──!!」
サーキットレーサーはまずコースを知る。コースの全体像を知らないのは圧倒的に不利だ。
「だからこそ奇跡だ。だが、普段の君なら不可能ではないよ。どうする?やめるかね?」
「……やります。やってみなければわからない。ベルダンディーのために奇跡を起こせというのなら起こしてみせますよ!!」
彼は漢の顔をしていた。
「螢一さん……」
「三分以内にゴールしないと失格。落ちても失格、チャンスは三回あげる」
最初の挑戦、螢一ははじめのカーブでストップしてしまった。チャンスは三回ですよ。ベルダンディーの声援にこの回をコースを覚えることに振り分けた。しかし難しいカーブで奈落の底に落ちてしまった。次の瞬間、螢一はスタート地点に戻っていた。タイムアップと同時に戻されるようになっていたのだ。
「君は運がいいな」
「そうだ……確かに死んだと思った。今までバイクに乗ってきて何度もやばいことがあったけど、あれは味わったことない……」
足が震えた。
「怖かった」
まだ死の恐怖じゃない。震えることも出来なくなると思うけどそれでもやるかい?
やるに決まっている。
ほう、震えるその足
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