終わりからの始まり
エピローグからのプロローグ
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赤にして否定した。
「ほんとはあるけ……あれ?」
え……思ったことあったか?いままで?
「ないんじゃないの?健康な若者なのにねぇ」
なんだ……。なんだこれ。真実のキスをしたときから──
心配そうな面持ちで名前を呼ばえれて、ベルダンディーを見た瞬間。
大きく動揺した。鼓動が跳ねた。
手を伸ばしてくる愛しい女神から、反射的に飛び退いてしまう。
「違……んだ」
「違わないわよう。螢一くんの封印されていた欲情が開放されただけのこと」
互いに異質である人と神の交わりに天上界は厳しい制限を設けている。だけど螢一は契約してしまった。「君のような女神にずっとそばにいて欲しい」契約を守るためには交わらせてはならない。だから、今まで螢一の心を操作してきた。肉欲を欲望を抱かないように。
契約のために人の心まで干渉するのが神のやりかたである。
「螢一さん、私は……」
だましていなかったのは本当。でも契約のためにこのシステムが動いていたのを知っていたのも本当のこと。私は、螢一さんに甘えていたんだ。とても言い訳なんて出来ない。でも。私は螢一さんと一緒にいたい。この気持も本当。私は……なんて……。
響き渡る音楽。
「どうやら律儀にも魔界まで降りてきたようね」
呟くヒルドのそばから空中が爆発した。
天上界から魔界へ異種族恋愛審問官が降りてきた。
「大変な事になっているようですね、ベルダンディー。まさかあなたの時に呼び出されるなんて。これも運命の女神なればこそなのでしょうか」
女神集合体代表取締役アンザス。ベルダンディーとスクルドにとっては実母であり、ウルドにとっては義母になる。彼女は職務に公平であるために降りてきたのであって、ベルダンディーの味方をするためではないことを宣言する。
アンザスは大天界長ティールの後妻だった。
ヒルドはティールと「別れた」のではなく「別れさせられた」のだ。
「見せてもらうわよ、私が越えられなかった壁を、君が越えられるかどうか」
神属の定めた異種族恋愛審問システムに。
アンザスは持っていた杖を巨大な門に変化させた。
裁 き の 門である。
「人間と女神は本来交わるべきではないのです。我々は幾度となくその悲しい結末を見てきました。故に我々は資質を確認する試験を設けました──そうです試すんです人とは左様にに弱く脆い。そしてそれは女神もまた同じ。この試験は人のためだけではありません。人と女神双方の恋愛検定です」
試験に合格できなかった場合。人と女神は 生涯出逢うことができない。出逢おうとどんなに頑張っても運命制御機構が全力で阻止する。また、通るのを拒否した場合、元の状態に戻るが、ただし今後一切の恋愛行為を禁止される。手を繋いだだけで死ぬ。
ベルダンディ
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