終わりからの始まり
エピローグからのプロローグ
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、私の言う事にすべて「はい」と答えてください」
「はい」
「森里螢一は一級神二種非限定女神ベルダンディーとの間に締結した契約の解除に同意する」
「(え!?)……はい」
螢一の周囲で何かが壊れる音がした。
彼が訝しむまもなく続けるベルダンディー。
「これにより森里螢一は契約条件を満たしたので、新たな契約の提案が受けられます」
「はい」
「森里螢一は一級神二種非限定女神ベルダンディーと真の契約、すなわち私と結ばれることを望みますか?」
「え?」
い、今、なんて……?
「ただし次の条件を拒否される場合はこの契約は無効となります。契約者はいかなる試練にも望むことを誓い、これに合格しなかった時、当該女神との接触を生涯にわたり禁ずることとする。これを承諾しますか?」
……何? 試練て何?
混乱して黙り込む螢一。
しばしの沈黙があって、再びベルダンディー。
「私もこの提案は避けたいんです」
螢一は少し頬を赤らめながらも真剣な表情で答えた。
「はい……」
「そうですよね、拒否するという選択肢もありますよね」
「そっちじゃなくて!」
えっ、と驚いた表情をする女神。
「言ったじゃないか。信じるって。信じてほしいって言いながら、俺のことは信じないの?」
「あ……」
まったくこの人は……。
互いを信頼すること。贈りあった想いのこもった品物。想えば長い二人の時はこのためにあったのだ。
「螢一さん」
「はい」
「気を確かに持ってください」
「え?」
「これより誓いのキスを実行します」
ベルダンディーは真剣で不安でそして嬉しかった。心臓の鼓動が高鳴っている。今から「その生涯を共にしたい」と心底願った相手と真実のキスをする。顔を赤らめながらも唇をよせた。
人と女神の唇が重なった。
どこまでも甘く柔らかい唇の感触。
その刹那、螢一は混乱の坩堝にいた。
(なんだ!! なんだこれ!! これはなんだ!! 脳が焼ける 血が燃える!! 何もかも 溶けていく!! こんな …… 気持ちがいいなんて こんなにも 恐ろしいなんて これが 神の ベルダンディーの こんなの いつまでも もう無理 キスが ……)
つまるところ「情報量」の多さに脳が処理しきれないのである。
過負荷により螢一の意識は暗転した。
「はっ」
目を覚ました彼にベルダンディーは安堵した。万が一にもそんなことはないと確信しながらも、このままだったらと想うと不安だったのだ。
「螢一さん、大丈夫ですか?」
大丈夫と答えようとした螢一は目の前の情景に驚愕した。
一面の花、華、花…。
「うわっ、これは一体!?」
見えている範囲全部が花畑。花で埋め尽くされていた。
「力がほとんど無いはずなのに」
「いえ、これは螢一さんとのキス
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