終わりからの始まり
エピローグからのプロローグ
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」ヒルドは何気なく呟いた。
魔界に赴いた一行はエイワズの案内により、これから向かう部屋の中の主を倒して次の部屋の鍵を手に入れなければ先へ進めない事を知る。
暗闇の支配者、アールヴァル。
破壊の支配者、スリュム。
機械の支配者、モックルカーヴィ。
強欲の支配者、エイワズ。
そして、魔界のナンバー2ハガル。
彼女らの目的はベルダンディーの神力を削ぎ落とし、神力が殆どゼロの状態をつくりだしてから、代わりに魔力を彼女の身体に注ぎこむことで、ベルダンディーを魔属にすることが目的だった。神属のエースであったはずの女神が魔属のエースとして魔界の理想世界を造る。
ハガルの能力は、目を合わせた者の頭脳に直接干渉する力である。脳に「自分の存在がなくなった」と認識させれば、対象者は精神が死ぬ。
螢一とベルダンディーはハガルの奸計に見事に嵌ってしまった。
螢一はハガルによって両手と両足を奪われ、所持していた百万分の一のヒルドを内包するペンダントも奪われてしまう。
ベルダンディーは最後に残っていた僅かな神力も吸収され、天使のホーリーベルも卵に戻されてしまった。
「あなたに耳より情報です。あなたにはもう何ひとつ残っていません。あきらめてください」
声をかけるハガルになすすべもなく女神は意識を失った。
絶望する螢一の中から百万分の一のヒルドの声がした。出発の時に口づけした千分の一のヒルドから、彼の中に入り込んでいたのだ。
エイワズの部屋でベルダンディーが復活したのはなぜ?
「護符とは守る力を封じたもの。人への想いは守る力。想いの力は守る力の強さ。この力は螢一さんの想いの力──」
ベルダンディーの身体に魔力を注ぎこむ直前、感覚を奪ったはずの螢一が飛び出して女神を救う。
螢一がベルダンディーに送った「指輪」が護符となって女神を守ったように。ベルダンディーが螢一に送ったコスモノート「旅人の時計」が護符となったのだ。それは女神の力を込めた護符。女神の愛の証。
手足を取り戻した彼に驚愕するハガル。
「なぜ一介の人間ごときが私の術を破れるんだ!」
確かに螢一がいたからこそ他の四人は破れた。破れることが予定だったとしても。
「ああ……そうか、こいつがいるからいけないんだ。最初から殺しておけばよかったんだ」
表情には呆れと殺意があった。
「最初から殺しておくべきだったんだ!」
このままでは螢一がハガルに殺される。
ベルダンディーは世界で一番大切な大好きな人を失う。しかし今の彼女に神力は残されていなかった。
迷いは一瞬、女神は決断した。
「螢一さん、これは最後の手段です。この先、何があっても私を信じてくれますか」
「ははは、信じるも信じないも、これ以上信じられる相手が他にいるだろうか」
「螢一さん、では
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