南洋の死神
[7/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
権限も同じです」
「ふうむ。で役捜査官、話の続きを聞かせて欲しいのだが」
風見の問いに役は頷き懐から一枚の写真を取り出した。
「この人物をご存知ですね」
写真に映る男を見て風見の眼の色が変わった。蠍を模した兜を被った黒髭の男、ドクトル=ゲーであった。
デストロンの第一次日本攻勢において幾度となく死闘を演じてきた。特に四国を巡る攻防と日本全土に一斉攻撃を仕掛けた『日本全滅作戦』においては風見と日本をあと一歩のところまで追い詰めた男である。最後は捨て身の攻撃で勝利を収めたが彼を最後の最後まで苦しめ続けた宿敵であった。だが彼は死んだ。その彼の写真を今見るとは。
「ドクトル=ゲー。死んだ筈だが」
「はい。一度は死にました。貴方が倒しました」
彼は仮面ライダーX3との激しい一騎打ちの末に三浦海岸、八景浦にて壮絶な戦死を遂げていたのであった。
「ですが彼は何者かの手により再びこの世に現われたのです」
「何っ、誰の手によって」
「それは解かりません。そして彼は今このシンガポールにいます。かってジンドグマの大幹部であった幽霊博士と共に」
「幽霊博士ーーー。ジンドグマきっての天才科学者と謳われたあの幽霊博士がか」
「はい。彼等はどうやらこの地に基地を建設しようとしているようです」
「基地?このシンガポールにか」
「はい。この国は小さいながらアジア太平洋地域の貿易、商業の中心地として繁栄しています。ここに基地をおけばアジア太平洋一帯をその影響下に置く事が可能になります」
「馬鹿な、その様な事になれば数十億の人々が生命の危機に曝されることになる」
風見は表情を変わらせた。
「そうです。ですから今回貴方をお招きしたのです」
「・・・・・・・・・そうだったのか。もっともそんなところだろうとは思っていたが」
「はい」
その眼に真摯な、強い光を灯し呟く風見に対し役は言った。戦いを決意した彼を戦場へ誘う、そういった声だった。
「そして建設されている場所は何処なんだ?すぐに壊滅させないと大変なことになる」
「それならば見当はあらかた着いています」
佐久間が懐から地図を取り出して言った。
「む、早いな」
「はい。ここまで調べるのに苦労しましたよ」
佐久間はそう言って苦笑した。
「相変わらず隠れるのが上手い連中でしてね。かれど何とかここまで絞る事が出来ましたよ」
広げた地図に赤丸が着いた場所がある。風見はそこを指差した。
「ここだな」
「はい。間違いありません」
「だとすれば話は早い。すぐに乗り込むとしよう」
「はい。ですが敵も手強いですよ」
「やはり怪人がいるのか」
「おそらく。しかも通常の改造人間達より更に強力な者がいる事が確認されています」
役が風
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ