南洋の死神
[6/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
お久し振りです、風見さん」
「ああ、元気そうだな」
二つの足音のうち一人は良く知っていた。インターポールの工作員である佐久間健だ。
デストロンの活動及びその野望はやがて世の人の一部に知られるようになった。それに対し危惧を覚えた各国政府の高官達により極秘でインターポール内で任命された特別捜査官達がいた。彼等の通称をデストロンハンターといった。その名の通りデストロンとその関係者達について捜査し逮捕する。場合によってはその命を左右する権限を与えられた者達であった。
デストロンハンターは世界各地でデストロンと戦った。日本には六名のハンターが派遣されたがそのうちの一人がこの佐久間健だったのだ。そしてドクトル=ゲーと戦ううちに仮面ライダーX3=風見志郎と知り合い彼に協力するようになった。暫くして別の任務で日本を離れその地で任務を続けるうちにデストロンは壊滅した。これで本来の部署に戻る筈だったが仮面ライダー、とりわけX3との縁を買われ特別捜査官に留まった。その任務はライダーとの共闘及びそのパイプ役であった。
この任務も彼は確実にこなしていた。そして多くの悪の組織と戦ってきた。そして今も特別捜査官の任にあり捜査を続けているのである。
「上海でのジンドグマ中国支部壊滅以来ですね。またお会い出来て嬉しいです」
「俺もだ。お互い明日はどうなるか知れない身の上だからな。ところで健」
「はい」
「シンガポールで何か起ころうとしているんだな」
「・・・・・・はい。やはりご存知でしたか」
佐久間の顔が暗いものになった。
「さっき宿泊先のホテルに刺客が来た。赤いマスクと黒のスーツの連中だ。一見デルザー軍団の戦闘員に似ていた。心当たりはないか」
「赤のマスクと黒のスーツですね」
「そうか。知っているのか」
「はい。我々が今追っている連中です」
「何っ!?じゃあ奴等は・・・・・・」
風見の目が光った。
「それからは私に話をさせて下さい」
それまで佐久間の横で黙って控えていた男が割って入ってきた。
「君は?そういえば名前をまだ聞いていなかったな」
見れば細面のアジア系の若者である。茶がかった髪をセンターで分けている。切れ長の一重の黒い瞳が白く端正な顔立ちによく似合っている。黒がかった濃い茶のスーツと紺のネクタイ、そして白いカッターの上から茶のトレンチコートを着ている。
「役清明(えんの きよあき)と申します」
「日本人か?」
「はい。長野県警警備課より派遣されてきました」
「ほう。長野県警から」
「はい。突然上の方から通達を受けまして。階級は警部補です」
「警部補、か」
風見は少しいぶかしむ眼をした。
「はい。インターポールでの肩書きは佐久間捜査官と同じく特別捜査官となっています。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ