南洋の死神
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クッ、と動きジリジリと頭部のある方へと集まっていく。そして一つ、また一つと合体していく。
「ク、ククッ、X3、何故俺のこの頭を狙った・・・・・・」
頭を左手で抑えつつヨロヨロと立ち上がりながらX3に対し問うた。
「貴様があの技を仕掛ける時頭だけは動かなかった。それは分裂した身体の動きを頭で全てコントロールしているからだ」
「グゥッ、気付いたか」
「ならば頭を狙えばいい。そうすれば他の身体の動きも止まる。そう考えたのだ。まさかこれ程のダメージを与えるとは思わなかったがな」
「そ、そうだったのか。流石は仮面ライダーX3。オ、俺の負けだ」
「止めを差してやろう。行くぞ!」
X3が再び跳び上がろうとしたその時だった。何処からか濃緑色の毒々しい液体がX3へ向けて放たれた。
「ムッ!?」
X3は咄嗟に後ろへ跳びそれをかわした。
“ギヒヒヒヒヒヒ、流石だねぇ、あれをかわすなんて”
不気味な女の声がした。
「誰だっ!」
“ライダーX3、それはあんたが思っている通りのことさ”
「くっ、そうかまた来たか」
声の方へ身体を向ける。そこにはマントを羽織った花の様な頭の形をした女のシルエットが立っていた。右手には頭と同じ形をした先端の奇妙な形の杖がある。
“折角だけど今あんたとやり合うつもりは無いよ。ただ今あんたにドクロ少佐を倒されちゃあ困るんでね。その為にわざわざシンガポールまで出向いて来たんだよ」
語りながら杖を悠然と構える。
「さあ、ドクロ少佐今のうちだよ。ドクトル=ゲー達のいるところまで落ち延びな」
「う、うむ。かたじけない」
そう言うと右手を顔の位置でゆっくりと下から上へ上げた。
「ドクロ火炎隠れ!」
炎が沸き起こる。そしてドクロ少佐の身体はその中に消えていった。
「クッ、待て!」
追おうとする。だがそのまえにシルエットの女が杖の先から例の緑の液体を吹きかけてきた。
「ムッ!」
「言っただろう、やらせはしないって」
「クッ・・・・・・・・・」
その間にドクロ少佐は完全に炎の中に消えその炎も完全に消え失せていた。
「これで良し、と」
「貴様・・・・・・」
怒るX3が攻撃を仕掛けんと身体中、とりわけ両足に力を込めんとする。
「およしよ。今あんたとやるつもりは無いよ。あたしも忙しいんでね」
そう言うとマントで身体を包みその中に消えていった。
“次に会う時を楽しみにしているよ。もっともあんたがそれまで生きていれば、の話だけれどね”
「ぬかせ!この仮面ライダーX3、決して貴様等には屈さん!」
“ヒヒヒ、そうかい。なら楽しみにしているよ”
影はそう言い残すと消え去り気配も何処かへと去った。
“イヒヒヒヒヒヒヒヒ”
しかし不気味な
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