南洋の死神
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重に行なうにこした事はない。ましてやラァーーーイダX3がいるのだ。最大の脅威は全力をもって取り除く。これは戦略の常道だ」
「流石はデストロンの大幹部よのう、フォフォフォ」
「見ておれ仮面ラァーーーイダX3、必ず貴様を倒す」
ドクトル=ゲーが独白する。その後ろで幽霊博士が面白そうに笑っていた。
ドクロ少佐は自らの部屋で骨のテーブルに座し一人酒を飲んでいた。部屋は骨で飾られている。異様な部屋だ。壁には自身の得物である大鎌が架けられている。
「また一人で飲んでいるのかい?」
何処からか声がした。女のものだ。
「貴様か」
壁からボゥッと人が浮き出てきた。赤い服とマントを着た女だ。首から上ははっきりとしないが何やら花の様な形をしている。この頭からこの女が人あらざる者であることが解かる。
「つれないねえ。折角あんたの勝利を祝福しに来てやったというのにさ」
「祝福?いらぬ世話だ。俺があの程度の奴に敗れる筈がない。俺が勝つ事は最初から決まっている」
「言うねえ。流石はデルザーきっての刺客と謳われただけのことはあるよ」
「戯れ言はいい。それより何の用だ?貴様が何の用も無くわざわざ中国から出向いてくるとは思えん」
「ギヒヒヒヒヒ。実はいい情報が入ってねえ。オオカミ長官と鋼鉄参謀が作戦に失敗したって話だけれど」
「何だ、そんな事か。その程度の情報なら俺もとっくの昔に知っていた」
話を聞き憮然と失望の声を漏らす。それを見て女は楽しそうに笑った。
「まあ話は最後までお聞きよ。オオカミ長官も鋼鉄参謀も作戦中ある男と会っていたんだよ」
「ある男!?誰だ」
再び顔をこちらに向けてきた。
「おやおや、急に関心が湧いてきたようだねえ」
さも楽しそうに笑う。それに対しドクロ少佐は少し腹を立ててみせた。
「ごたくはいい。続けろ」
「ヒヒヒ。まあ落ち着きなよ。まず鋼鉄参謀だがね、荒ワシ師団長と会っていたんだよ」
「あの犬猿の仲の二人がか。珍しい事もあるものだ」
「そしてオオカミ長官だがね、黒服の男と会っていたそうだよ」
「何っ!?まさか」
思わず席を立った。
「まあまあ落ち着きなって言ってるだろ。で荒ワシ師団長も師団長で別の男と会っていたんだよ。白いマントの男とね」
「奴か・・・・・・」
「そうだよ。あの二人は前にいた組織でも喧嘩ばかりしていたそうだしねえ。今度も何かと主導権争いしてるみたいだよ」
「フン、いくらあの二人が勢力争いをしようが無駄な事だ。どのみちあの男には勝てぬさ」
「まあ今のままではね。だからこそ動いているんじゃないかい?」
女は問いかける様に言った。
「このまま動きが続けばどう転ぶかわからないよ。あたし達にも何かと分け前があったり利があったりす
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