第八十三話 回廊ひのきしんその四十九
[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「やっぱりそうですよね」
「ええ、言ったことは戻らなくて」
「禍いの元ですね」
「出してしまったらね」
辛そうに言われました。
「もうね」
「戻らないですね」
「そうよ」
こう言われるのでした。
「本当にね」
「そうですよね」
「だからね」
「失言には気を付けることですね」
「どんなに怒っても許せないってその時思ってもね」
「それでかんろだいの前で言ったんですよね」
ここでまた新一君が言ってきました。
「最高の失言ですね」
「え、ええ」
先輩は俯いて答えられました。
「私のことから言っているから」
「あそこにかんろだいありますね」
新一君はさらに言いました。
「後ろに見える場所で西の礼拝堂で言われましたね」
「そうなの」
「後でそっちに行きますけれど」
「いい加減にしなさいっ」
私は新一君を注意しました。
「それが失言って言うの」
「そうですか?」
「そうよ、何処まで人の昔のことほじくり出せば気が済むのよ」
「こうしたら相手は反論出来ないから効果あるんですよ」
「言われた相手がどれだけ嫌な思いするかわかってるのよね」
「嫌いな相手の嫌がることは調べてでも知ってやる主義なんで」
「あのね、ずっと言ってるでしょ」
今回もです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ