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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
聖地の鉄人
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た戦闘員を釣れ自分の基地へと帰って来た。岩の中に巧妙に隠された階段を降り地下へと入って行く。
 足早に、ガシャーーン、ガシャーーンと金属音を立てながら自身の基地の中を進んでいく。進むうちにおかしな事に気が付いた。
 「どういう事だ、何も荒らされてはおらんではないか」
 顔を顰め訝りながら進んでいく。奥にある指令室に入った時最も合いたくない顔がいた。
 「久し振りだな、鋼鉄参謀」
 「貴様か、一体何をした!?」
 見れば自分の配下の戦闘員達が全員拘束され床に転がされている。十名程の戦闘員達を後ろに従えた男は鷲の頭に赤地に黄の十字が入った胸当てとズボンを着、右手には斧、左手には大盾を持ち背には赤い大きな翼を生やしている。彼もまたデルザー改造魔人の一人、荒ワシ師団長である。
 十一世紀勢力を伸張し続けるイスラム教徒達に対し東ローマ帝国への援軍という形で十字軍が結成された。それから約二百年間計七回に渡って派遣された十字軍は聖都エルサレムの回復という大義名分を掲げてイスラム教国と戦った。聖地の回復、といえば聞こえはいいがその実態は暴虐で残忍な侵略者以外の何者でもなかった。
 十字軍を主導するローマ=カトリック教会も兵を送る国王や領主達も己が権勢や栄華、名誉、領地等を欲しているのみであり聖地エルサレムもそこにいるキリスト教徒達もどうでも良かったのである。その証拠としてエルサレム解放の時にはキリスト教徒達もイスラム教徒達と同じ様に虐殺し、援軍を要請した同じキリスト教を信奉しり同志である筈の東ローマ帝国ですら攻撃し帝都コンスタンティノープルを攻め落としその地で略奪の限りを尽くす有様であった。
 十字軍の行くところ殺戮と暴虐の嵐が吹き荒れ幼な子は火の中に放り込まれ喰らわれ腹を割かれた者が悶え死に腐乱した屍と粉々に砕けた白骨が砂漠に転がり風が血煙を乗せて四方をその身の毛もよだつ悪臭と瘴気で支配した。彼等は将に鮮血と屍肉に飢えた人ならざる異形の獣達であった。
 そう、獣であった。心が人でなくなった時姿形も人でなくなってしまうのであろうか。
 この時十字軍を指揮していた一人の領主がいた。彼はその残忍さ、非道さにおいて十字軍の他のどの者よりも怖れられ、砂漠の死神と呼ばれるようになった。だが彼も最後には英雄サラーフ=アッディーン、すなわちサラディンの軍に破れサラディン自身の手により首を刎ねられる。
 だが彼は甦った。砂の中から這い出、刎ねられた首を捜し求めたが得られずハゲワシの首を取り付けたのだ。同時にワシの能力をも身に着けた彼は空を飛翔し人を襲う魔人と化して人々を苦しめた。彼の心は完全に魔物のそれとなっており例えかっての同志達であろうが躊躇なく襲い掛かり殺戮した。彼により中東の砂漠は死の砂漠となってしまった。
 その子孫が荒ワシ師団長である。祖先から空を駆る
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