聖地の鉄人
[7/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「だとしたら?」
あえて名乗らなかった。
「知れた事。死んでもらう」
そう言うやいなや左手に持つ鉄球を放り投げてきた。
一文字はそれをかわした。再び鉄球を繰り出そうとする。だがそこに一文字はいなかった。
「むっ、何処だ!?」
鋼鉄参謀も戦闘員達も辺りを見回す。すると上から笑い声がした。
「そこかっ!」
屋敷の上の方を見る。そこに一文字はいた。だが彼はすでに変身を遂げていた。
深緑の仮面に赤い両眼、黒いバトルボディに緑が混ざった暗灰色の胸、そして赤い手袋とブーツ。仮面ライダー二号であった。『力の二号』とも称される正義の戦士である。
「流石はデルザーの改造魔人、派手なご挨拶だな」
「ぬかせっ、さっさと降りて来い!」
「言われなくとも降りてやろう。行くぞ!」
戦闘員達の中へ降り立った。向かい来る戦闘員達を拳と蹴りで次々と倒していく。
残るは鋼鉄参謀一人となった。鉄球を構える鋼鉄参謀に対しライダーは完全に変身する直前の拳を造ったポーズでファイティングポーズを作る。
ジリ、ジリジリ、と両者は間合いを詰める。ライダーが一歩踏み出そうとした。その時だった。
「ムッ!?」
新たな一団がライダーと滝の周りを取り囲んだ。
それは新手の戦闘員達だった。彼等だけではなかった。改造人間もいた。四体いる。
アフリカより来たショッカーの火炎怪人サイギャング、ゴッドが誇る豪力怪人ヘラクレス、このインドで生まれたネオショッカーの突進怪人サイダンプ、ゲドンの鋏怪人カニ獣人、そのいずれもがかってその豪力をもってライダー達を苦しめた猛者達であった。
「やはり出て来たな、怪人達」
「そうだ、貴様を倒す為に甦ったのだ」
輪の奥から声がした。声の主が前に出て来た。その姿を見てライダーも滝も驚愕した。
「き、貴様はっ!」
声の主は金の顎止めや帽章の付いたジャーマングレーの軍帽とそれと同じ色の軍服、白いズボンと手袋を着け黒のブーツを履いている。腰のベルトには拳銃が架けられ右手には棒状の鞭がある。口髭を生やし左眼には眼帯をしている。この男の名をゾル大佐という。
ゾル大佐、ショッカーに関わった者でこの名を知らぬ者はいない。ドイツケーニヒスベルグに生まれ軍人となる。ナチス政権下で頭角を現わしナチスのユダヤ人弾圧の実行者として知られるようになる。ハイドリッヒ等と共にヒムラーの懐刀として辣腕を振るう。彼の手により多くの者がアウシュヴィッツ等で苦しみ悶え死んだ。喉を掻き毟り眼球を飛び出させて死ぬ様を彼は笑みをもって眺めていたという。
ナチス崩壊後追われる身となるがアルゼンチンに潜伏しその地でショッカーに入る。ショッカーにおいてもナチス時代そのままの辣腕を振るい世界の火薬庫とも言われる中近東の支部長に任命される。多く
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ