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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
聖地の鉄人
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確認生物が夜の街や森を徘徊して人々を襲っているという噂だ。
 その時は猿人か、得体の知れぬカルト団体か何かだろうと考えておりさしあたって動かなかった。現地の警察に連絡し何か不可思議な点があったらインターポールまで連絡してくれるよう言っただけだった。すぐに話が沈静化したので結局単なる都市伝説と思い他の任務に当たった。その任務こそがドイツでの狼男騒ぎだったのだ。
 「ちっ、こんな事ならこっちにも人を送っとくんだったな」
 そう言って歯噛みした。自分の見解の甘さが悔やまれる。
 「そういえば滝、ドイツでデルザー軍団のオオカミ長官と遭遇したらしいな」
 「んっ、何だ知っていたのか」
 「本郷から連絡があった。何でも地獄大使とブラック将軍まで姿を現わしたそうじゃないか」
 「ああ、本郷が言ってたんだ。間違い無い。それに前の組織の改造人間や見た事の無い戦闘員もいたらしい。俺は戦闘員の方しか知らないがな」
 「そうか。今までの組織と同等いや遥かに巨大な組織かもな」
 「多分な。あの三人だけじゃないだろう、他にも地獄から舞い戻ってきた奴が大勢いる筈だ。隼人、今回も辛い戦いになるぞ」
 「それはいつもの事さ。慣れてるよ」
 一文字はそう言って滝に微笑んだ。そして一言付け加えた。
 「ただな・・・・・・」
 真摯な顔になった。
 「ただ、な・・・・・・?」
 「何の罪の無い人達、特に子供達は巻き込みたくはない。俺はその人達を守る為に戦っているんだからな」
 「隼人、御前・・・・・・」
 滝は一文字のそういった性格を良く知っていた。例えどの様な状況においても自分の身より他の者の、とりわけ子供達の事を案ずる。それが一文字隼人という男なのだ。だからこそ彼は戦い続けるのであり決して屈したりはしないのだ。そんな一文字だからこそ滝も共に戦い助けてきたのである。
 二人は空き地を出た。ガンジス河で沐浴する人達を写真に撮り次に街外れのイギリス風の古い屋敷の前に来た。
 かっては植民地時代この地を統治していたかなり身分の高いイギリス人の屋敷だったのだろう。左右対称の見事な庭園跡と煉瓦、そしてガラスで造られた邸宅がある。だが今はそのガラスもわれ庭の噴水等も壊れ壁も所々破損し往時の美しさを偲ばせるものは何も無い。
 「こういうのも是非撮ってかなくちゃな。絵になるし歴史的にも意義あるものだし」
 一文字がカメラを取り出そうとしたその時だった。得体の知れぬ一団が一文字達の前に現われた。
 「むぅっ!?」
 それは黒のスーツと赤のプロテクターの一団だった。滝と本郷がシュバルツバルトやローマで戦った者達だった。
 その中心に男はいた。鋼鉄の上半身を持つ巨人、デルザー改造魔人の一人鋼鉄参謀である。
 「一文字隼人だな」
 魔人は一文字を指差して問うた。
 
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