聖地の鉄人
[3/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一人の顔や姿を撮っている。
濃い青の半袖シャツに茶のスラックス、首に赤いスカーフを巻いている。身体はそれ程大きくはないが何かしら格闘技をやり込んでいるらしく全身の筋肉が発達している。黒い髪と瞳、独特の目鼻立ちから彼がアジア系であると解かる。陽気で人なつっこい顔立ちであり何処か都会的な洗練された趣を感じさせる。
彼の名は一文字隼人、仮面ライダー二号としてその名を知られている。
ロンドンで日本人の両親の下に生まれその地で育った。両親が亡くなると日本へ渡り親戚の下に身を寄せた。そして大学を卒業後フリーのカメラマンとなった。日本で学業と共に柔道と空手を教わり柔道は六段、空手は五段の腕前を誇るようになる。その格闘能力をショッカーに目を付けられる事になる。
当時仮面ライダー=本郷猛の前に苦杯を嘗めさせられ続けていたショッカーはライダー打倒が緊急課題となっていた。そのライダーを倒し彼に替わる新たなショッカーの改造人間として彼は白羽の矢を立てられたのだ。そして彼はショッカーに拉致されたのであった。
改造は順調に進んだ。最後に脳改造を残すのみという段階で全てがするった。この改造計画を察知した本郷猛がライダーに変身して改造が執り行なわれている基地に侵入し彼を救出したのだ。
この直後欧州においてショッカーの動きが活発化している事を感じ取った本郷はかの地へ渡り、一文字は彼の替わりに日本のショッカーと戦うことになる。中東から招かれたゾル大佐や欧州から派遣された死神博士との激闘を経て死神博士を追う形で強化怪人達の魔窟と化していた南米へ向かう。南米全土で死神博士率いるショッカー南米支部、そして日本のそれに比肩する凶悪な複合怪人達を擁するゲルショッカー中南米支部と戦い続けた。そして日本において本郷と共にゲルショッカーを壊滅させた。それ以後も常に世界各地で悪の組織と戦ってきた伝説の戦士である。本郷猛のライダー一号が『技の一号』と称せられるのに対し彼のライダー二号は『力の二号』と称されている。
「良い写真が撮れたな」
一文字は河へと降りていく階段の一番上で笑みを浮かべた。大きな陽が光を反射する銀の河で満ち足りた表情で沐浴する人達の顔は何にも替え難く素晴らしいものである。一文字は夕陽を見ながらまた笑みを浮かべた。
「あの夕陽もいいな」
特別にフィルターをしたカメラを取り出し撮影する。赤と橙が混ざり合ったその夕陽は神が世を照らす為に創造したかの様に神々しく美しいものであった。
河と夕陽だけではない。このベナレスには古く由緒ある寺院が多数ある。そして入り組んだ雑多な街並みと様々な人々がいる。あたかも人がこの世に生まれ出た時から存在しているかの如き悠久の感覚を覚える。ベナレスはそんな街だ。
ベナレスだけでなくインドは全てがそうであった。民主的な政治が行な
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ