聖地の鉄人
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直撃を受ければライダーとてひとたまりもない。ライダーはそれを側転でかわした。
「ほう、やるな。だがこれはどうだ?」
返ってきた鉄球を左手で受け止めると今度はそれをヨーヨーの要領で直線の動きで繰り出す。ライダーはそれに対し攻撃を避けるだけである。
斜めから来る鉄球を跳躍でかわす。着地したところに頭上から襲い来る。後ろに跳ね返りそれもかわした。
「やりおるな。だがよけるだけでは何にもならぬぞ」
矢次早、縦横無尽に鉄球を繰り出す。ライダーはそれに対し巧みな身のこなしで避けるのみである。
前から来た鉄球をジャンプでかわす。そして伸びきった鉄球を繋ぐ鎖に手刀を加えた。
「ライダァーーーチョーーーーップ!」
手刀を横に薙ぎ払う。鎖は断ち切られ鉄球が地に落ちた。
「成程な。そうくるか」
武器を失ったにも拘わらず鋼鉄参謀は全く動じるところが無かった。左手から鎖を取り外して不敵に笑った。
「来い」
両者は互いに突進しぶつかり合った。鋼鉄参謀の鋼の拳が唸り声をあげライダーに襲い掛かる。
「ぐぅっ!?」
それを防いだライダーの腕に鈍い痛みが走る。その巨体に恥じぬ凄まじいまでの重さと力だった。
「ライダァーーーパァーーーンチッ!」
逆に鋼鉄参謀の胸へ攻撃を入れる。基地での戦いでカニ獣人を倒した強烈な右の拳の一撃だ。
だがそれも効かなかった鋼鉄の打撃音を響かせライダーの拳の方が弾かれた。
「グッ!」
ダメージを受けたのはこちらであった。右手を押さえ思わず呻き声を出した。
「ククククク」
鋼鉄参謀はそれを見て自身に満ちた笑い声を出した。
鋼鉄参謀は再び攻撃を出したライダーはバックステップでそれをかわす。そして高く跳躍した。
「ライダァーーーキィーーーーック!」
一号のそれと同じく多くの怪人達を葬ってきた必殺の一撃である。それが鋼鉄参謀の胸を直撃した。
「グァァッ!」
しかしダメージを受けたのはライダーの方であった。必殺の一撃は無残にも弾き返され地に倒れ込んだ。
「愚かな、俺を誰だと思っている」
鋼鉄参謀はグッグッグッ、と笑った。
「俺はあの黄金魔人様の子孫にして鋼鉄の身体を持つ者だ。これしきの攻撃なぞ蚊が刺した程にも感じぬわ」
「むぅっ・・・・・・」
起き上がったライダーに対し鋼鉄参謀は金属音を響かせながら近付いて来る。
「かの改造人間達と俺がこの手で鍛え上げた部下達を倒した事は褒めてやろう。せめて苦しまずに死なせてやる」
そのプレートメイルの様な巨体が迫る。そう、プレートメイルの様な。ライダーの脳裏に何かが閃いた。
ススス、と前に出た。そして鋼鉄参謀の胸に再度拳を繰り出す。
「馬鹿め、何度やっても同じ事だ」
だがそれは拳ではなく掌打であっ
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