聖地の鉄人
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ングとイノカブトンが丘の上から飛び降りてきた。二体共その左手の巨大な鋏を禍々しい形をした角でライダーに襲い掛かる。
「ライダー!」
滝が助けに入ろうとする。だが戦闘員達の相手をせねばならずとても救援に入れない。二体の猛者達にライダーは取り囲まれた。
しかし今まで幾多の死闘を勝ち抜いてきたライダーである。とりわけその力は岩山すら叩き壊す程であり全ライダーでも彼に比する力の持ち主はそういなかった。その力がここでも発揮された。
イノカブトンの角を掴み地に倒すと今度はその両足首を己が両脇に入れた。そしてタイホウバッファローめがけ思いきり投げ付けた。
「ライダァーーーハンマァーーーーッ!」
本来は一号の持ち技の一つだが力技を得意とする彼も会得する事が出来たのである。タイホウバッファローはかろうじてその攻撃をかわしたが頭から地に叩き付けられたイノカブトンは爆発四散した。
援護射撃が怯んだのを好機にライダーは残る怪人カブトロングへ攻勢を仕掛ける。
次々に拳が繰り出されこれにはさしものカブトロングも劣勢に追い込まれた。そこへライダーの蹴りが顔を直撃した。
そして両肩を掴むとライダーは怪人の腹を再び蹴り巴投げを浴びせた。背と後頭部を叩き付けられカブトロングも爆死した。
「バーーーフーーー」
仲間を次々に打ち倒されたタイホウバッファローがライダーめがけ砲撃を再開する。最早それは照準すらろくに定めぬ乱れ撃ちであり所々で爆発が起こった。
その中でライダーは跳んだそして空中で激しく回転を続ける。
「ライダァーーー回転キィーーーーック!」
空中回転によって生じた遠心力によりその質量を増した脚部から放たれた一撃が厚い装甲で覆われた怪人の胸を突き破った。
だがそれでも立ち上がる。だがすぐに片膝を着いた。そして爆死した。
「行こう、子供達が心配だ」
滝を促し再びマシンに乗る。爆音を響かせ二台のマシンが再び走りはじめた。
「ゾル大佐め、遅いな。一体何をしているのだ」
鋼鉄参謀は丘の上で仁王立ちして顔を歪めて言った。その後ろでは配下の戦闘員達が縄で縛られた子供達を取り囲んでいる。
約束の時間はとうの昔に過ぎている。夜が明け空が白くなりはじめようとしている。流石に苛立ちを隠せない。
「何かあったとでもいうのか?」
「鋼鉄参謀、バイクが二台こちらに向かって来ています。かなり速いです」
「誰だ!?」
部下の報告を聞き双眼鏡でその二台のバイクを見る。一瞥しただけで鋼鉄参謀の顔は見る見るうちに変貌していった。
「一文字と滝だ、総員戦闘配置!」
素早く指示を出す。それに従い戦闘員達が己が持ち場に着いた。
(どういう事だ?一文字達のみここに来たという事は時間的に見ても基地が襲撃されたからか。だとすれ
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