聖地の鉄人
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より狂気に走ったとも言われている。
その生体実験と錬金術の研究の成果であろうか。ショッカーに入ってからは改造人間開発の権威となり大幹部に抜擢される。その過程で賢者の石への関心は人を人にあらざるものに造り変えるという背信の錬金術へとなってしまっていた。
スイスと日本でライダー一号と、日本と南米においてライダー二号とそれぞれ死闘を演じた。残忍にして冷酷、優れた改造人間をもってダブルライダーの宿敵であり続けた。
「うむ、先程俺の配下の者達から報告があった。表向きはあの街の取材ということらしいがな」
死神博士の前に山の様に大きな身体を持つ男が立っていた。下半身は黒ズボンとブーツであるが上半身は鋼鉄に覆われている。兜の様な頭部からは二本の水牛の様な角が生え指には鋭い爪がある。両肩には二本ずつ管があり左手には鎖で繋がれた巨大な鉄球がある。彼の名を鋼鉄参謀という。
北欧にある魔人の伝説がある。全身が太陽の様に眩く輝く男だ。彼は白夜に現われ雪の中を歩いていく。そして目の前にる物をその光の熱で全て焼き尽くしてしまうのだ。
彼の行く所は焦土のみである。跡には何も残らずかって人や家だった炭が残っているだけである。彼の名は黄金魔人、北欧を焼き尽くす魔王であった。
彼の正体は炎の巨人であった。世界の滅亡の時にその全てを焼き尽くすと言われている炎の国の住人であった。
やがて彼を倒さんと天界から一人の神が舞い降りた。雷の神トゥールである。
戦いは長きに渡った。そして最後は雷神が勝った。その鎚を掲げ彼は雄々しく叫んだ。
その子孫が彼である。デルザー軍団きっての猛者と言われた男である。
「我々がこの地にいる事を察しているな。相変わらずカンのいい奴だ」
「ならば話が早い。すぐに俺が出向いて奴を一撃で粉砕してやる」
「待て。事を急ぐ必要は無い」
拳を振り上げ力説する鋼鉄参謀を右手に持つ乗馬用のそれに似た鞭で制した。
「今私が再び甦らせた改造人間達が目覚めようとしている。ゾル大佐が奴等を率い貴様の手勢とで二正面作戦を仕掛ける。これならば如何に奴とて持ち応えられまい」
「奴さえ倒せば後はどうとでもなる。このインドが我等の手に落ちるのだ」
「うむ。インド制服の前祝いとしよう」
そう言うと指を鳴らした。すると戦闘員達が無言で赤ワインと二つの銀の杯を持って来た。
コルクが抜かれ杯に酒が注がれる。紅のその色はルビーを溶かした様である。
「私の故郷の酒だ。一度飲むと病みつきになるぞ」
「有り難く頂こう。悪の勝利の為に」
「うむ。悪の繁栄を期して」
二人の大幹部は杯を交わし合った。くぐもった暗い笑いが地の底から響いてくるようであった。
昼ガンジス河で沐浴する人達の中に彼はいた。沐浴をするのではなくカメラで彼等一人
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