第九幕その六
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「僕はボブ=クラチットだよ」
「スクルージさんのところで働いておられる」
「そうだよ」
こうナターシャに答えました。
「ロンドンにいた頃からね」
「そうですね」
「うん、そしてね」
「そして?」
「楽しく暮らしているよ」
「オズの国に」
「クリスマスの頃からね」
その頃からというのです。
「スクルージさんがマーレイさんと再会した」
「その時からですか」
「そうなったよ」
「お帰り」
スクルージはここでクラチットに声をかけました。
「今丁度準備が出来たよ」
「ティータイムのですね」
「そう、そしてね」
それにというのです。
「ぢょうど君達が帰って来る頃に合わせてたし」
「それで、ですね」
「今からね」
まさにというのです。
「食べよう」
「わかりました、それじゃあ」
「席に着いてくれるかな」
クラチットにまた声をかけます、非常に優しくて暖かい言葉でした。
「いいかな」
「わかりました」
「ではお茶とお菓子を楽しみながらお話をしよう」
こうしてでした。
クラチット達も戻ってです、そのうえで。
着席してそうして一緒に紅茶、ミルクティーにお菓子を楽しみました。そのお菓子は三段のティーセットでした。
「僕は食べないけれど」
「それでもだね」
「見ていていいね」
ジャックはかかしに言いました。
「このセットはね」
「ティーセットはね」
「うん、とてもね」
本当にというのです。
「楽しい気持ちになれるよ」
「エクレアにね」
かかしはまずは上段のそれを見ました。
「バウンドケーキにね」
「ドライフルーツにナッツだね」
「中段と下段はね」
「そうなっているね」
「見ていてね」
そうしていてと言うかかしでした。
「いい感じだね」
「そうだよね」
「僕も食べないけれど」
「見ているとね」
そうしていると、というのです。
「それだけでね」
「楽しいよね」
「とてもね」
ジャックににこりと笑って答えました。
「そうだよ」
「そうだね、やっぱりね」
「食べものそれに飲みものは栄養だよ」
「僕達にとってもね」
「全く以てね」
「だからね」
それでというのです。
「これからね」
「皆に飲んで食べてもらうね」
「ティーセットをね」
「ティーセットを楽しむ」
スクルージは深く考えるお顔で言いました。
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