第九幕その四
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「以前は紅茶を飲みましても」
「何とも思わなかったんだ」
「ただ飲んでいるだけで」
「水分補給だね」
「そう思うだけで」
それでというのです。
「他にはです」
「思わなくてだね」
「それで、です」
そうであってというのです。
「味気ないものでした」
「紅茶もだね」
「それに紅茶を飲むだけで」
「ティータイムもなかったんだ」
「そうでした」
かつてはというのです。
「一緒にお菓子を食べることも」
「そうだったんだね」
「お菓子なぞお金の無駄だと」
「思っていたんだね」
「そうでして」
「食べなかったんだね」
「無駄と思ったものは徹底して省いて」
そうであってというのです。
「働いてお金を稼ぐ」
「そのことだけを考えていたんだね」
「ずっとそうでした」
「それが変わってよかったわ」
ドロシーはここまで聞いて言いました。
「お菓子は食べるだけでね」
「心が楽しくなりますね」
「そうしたものだからね」
「食べるといいですね」
「ティータイムでもね、紅茶もいいけれど」
「その紅茶に加えて」
「さらにね」
まさにというのです。
「お菓子もあればね」
「尚いいですね」
「そうよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「私も今はそう思います」
スクルージはドロシーに答えました。
「心から」
「お菓子もあればいいわね」
「食べることはただ生きる為ではなく」
お菓子に限らずというのです。
「楽しむ為でもあり」
「だからね」
「美味しいものはいいですね」
「そうよ、それにね」
さらにというのです。
「お料理のことを考えるだけで」
「心が楽しくなりますね」
「それだけね、そして」
「そして?」
「もうすぐなのね、クラチットさん達が戻って来るのは」
「そうです、あと少しです」
スクルージもそうだと答えます。
「ですからそろそろお茶を淹れて」
「そうしてなのね」
「お菓子も台sます」
「そしてティータイムね」
「丁度三時ですし」
「いい時間ね」
「嬉しいです」
「どうして嬉しいと言えるのですから」
「ティータイムを楽しめて」
それでというのです。
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