第九幕その二
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「いつも笑顔でね」
「過ごせているんだね」
「温かくね」
「そうそう、冷たいとね」
それならというのです。
「それだけでどれだけ駄目であるか」
「君はわかったんだね」
臆病ライオンもスクルージに言いました。
「そうだね」
「よくね」
「そうなんだね」
「それはわかるよ」
しみじみとして言う樵でした。
「僕だってね」
「貴方は確か」
「うん、最初は温かい心が欲しいとね」
「思われていましたね」
「そうだったんだ」
こうスクルージに言うのでした。
「それでドロシー達と冒険をしたんだ」
「エメラルドの都まで」
「そうだったんだ」
こうお話するのでした。
「かつてはね」
「そうでしたね」
「そして最初から持っていたとね」
「私に言われてね」
魔法使いが笑って言ってきました。
「かかし君の知恵と臆病ライオン君の勇気とね」
「お二人共ですね」
「一緒だとわかってね」
「よかったとなりましたね」
「そうだったんだ」
魔法使いもスクルージに笑顔で答えました。
「三人共ね」
「私は働いてお金を稼ぐことだけを考えて」
スクルージはかつての自分のことをお話しました。
「そうして」
「他のことはだね」
「一切です」
それこそというのです。
「考えていませんでした」
「それが貴方の人生だったね」
「はい、ですが」
「見るに見かねて」
マーレイが言ってきました。
「それで私がクリスマスに出て」
「そうしてだったわね」
ドロシーがマーレイの言葉に頷きました。
「スクルージさんを諭してくれたわね」
「三人の精霊達と一緒に」
「そうだったわね」
「若しマーレイと彼等がいなかったら」
どうだったかとです、スクルージは言いました。
「今私はここにいません」
「温かい心もなくて」
「本当に碌な未来をです」
「迎えていなかったわね」
「絶対に」
そうだったというのです。
「確信しています」
「そうよね」
「全く以て」
さらに言うスクルージでした。
「クリスマスにマーレイが来てくれて」
「よかったわね」
「感謝してもしきれません」
こうも言うのでした。
「本当に」
「そうよね」
「あの、それでなのですが」
ここでナターシャがドロシーに聞きました。
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