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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission5 ムネモシュネ
(7) 次元の裂けた丘(分史)~????
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「貴様らも時空のはざまに飛ばしてやろう。人間に与する、あの女マクスウェルと同じようにな」
「マクスウェル!?」
「ジュード、落ち着いて!」

 ジュードから今まで感じたことのない闘気を感じる。ジュードはすでに手甲を両手に嵌めて臨戦態勢だ。

(……やるしかない。彼らだけじゃ勝算は限りなくゼロ。時間稼ぎに徹しさえすれば、逃亡の算段は立つ)

 ユティもショートスピアを取り出し、構える。
 どちらにせよ一度は大精霊との実戦経験が要る。さもなくばこの先、ルドガーが生き残るなどできやしない。特に人間に容赦がないクロノスが相手では。

 クロノスがユティたちと同じ足場に降り立つ。ユティはエルとルルに岩陰に隠れろと告げた。エルは反駁せずすぐにルルと走っていった。
 ジュードは拳を、レイアは棍を、アルヴィンは銃と大剣を、ルドガーは双剣を、それぞれに構えた。
 人間5人vs大精霊1体の死闘の火蓋が、切って落とされた。




 何分、いや何十分戦っただろうか。短くも長くも感じられた戦闘を経て、ユティたちは満身創痍だった。息を切らし、膝を突く者もいる。
 対照的に、クロノスには傷一つ付いていない。あれだけ攻撃を与えてノーダメージ。

(やっぱり出し惜しみせず力使えばよかったかも)

 比較的しっかり立てていたユティは、ちら、と後ろをふり返る。人が来る気配はない――まだ。

「番人っていうより番犬ね、アナタ」

 唐突な挑発に全員がユティに注目した。クロノスは訝しげに眉根を寄せる。
 ユティはふらふらと仲間より前に進み出た。

「そんなにカナンの地にクルスニクを…人間を入れたくない? 辿り着けって勝手な審判用意したの、そっちのくせに、2000年も邪魔して、ほんっと粘着質。アナタこそ人間みたい」
「……よく吠える。かく言う貴様こそ犬畜生ではないか」
「犬で結構。犬は首だけになっても敵の喉笛に食らいつく誇りを持ってる。アナタみたいになりふり構わないケダモノとは違うもの」
「我をけだものと呼ぶか、人間」
「そう聞こえなかったかしら。耳が悪いの? それとも頭が悪いの?」
「逆だ、人間。貴様の舌と頭が愚かなのだ。救いがたいほどにな」

 クロノスの掌から紫暗の球が放たれた。ユティは避けられずスピアで受けた。当然、押し負ける。ユティは吹き飛ばされ、仲間の中に逆戻りした。

「か――は――っ」
「ユティ、しっかり!」
「この馬鹿! 何でわざわざ自分から攻撃されに行くんだ!」

 アルヴィンがユティを抱え起こした。ほかでもないアルヴィンの腕だが、堪能する余裕はない。クロノスはすでに二射目の準備を終えている。

「皆さん!」

 丘を駆け登ってくるのはローエンとエ
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