第九幕その一
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第九幕 温かい心になって
一行は今度は小さな街の事務所の前に来ました、ドロシーはそのお店の前に皆を案内してからお話しました。
「ここがなのよ」
「スクルージさんのお家ですね」
「そうなの、それでね」
ナターシャにさらにお話しました。
「この街も国でね」
「何かです」
ここでナターシャはこう言いました。
「この街は昔のロンドンみたいですね」
「十九世紀中頃ね」
「そんな頃でしょうか」
「スクルージさんの時代のね」
「その頃のロンドンですね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「その頃よ、そしてスクルージさんはこの国の」
「国家元首ですね」
「そうなのよ」
こうナターシャにお話しました。
「オズの国ではね」
「そうなんですね」
「それで今からね」
「スクルージさんにお会いして」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「お話をするのよ」
「わかりました」
「そしてね」
それでというのです。
「皆で入るけれど」
「この事務所に」
「外観は小さな事務所だけれど」
「実は違いますか」
「どうしてそうなのか」
「そのこともですね」
「これからわかるわ。じゃあ中に入りましょう」
「わかりました」
こうしたお話をしてでした。
皆で事務所の中に入りました、すると中には痩せた穏やかな皺だらけの顔立ちのお年寄りの人がいてです。
その人より少し若い位の男の人もいました、ですがその人は。
「お身体透けてるから」
「幽霊だね」
「ってことはね」
「この人がマーレイさんだね」
「そうよね」
「そうだよ、わしがマーレイだよ」
幽霊の人はその通りだと答えました、見ればお二人共十九世紀中頃のイギリスの男の人の服を着ています。
「スクルージと一緒に働いていたね」
「そうですね」
「やっぱりマーレイさんでしたか」
「幽霊ですからわかりました」
「スクルージさんと幽霊っていいますと」
「やっぱりですね」
「わしだね、今では仲良くだよ」
スクルージを見て言うのでした。
「オズの国で暮らしているよ」
「ははは、いい国でね」
スクルージは気さくに笑って言いました。
「毎日楽しいよ」
「不満はないんだね」
「何もないよ」
トトにも笑顔で答えました。
「本当にね」
「嫌なことを感じることも」
「ないよ、だからこうしてだよ」
まさにというのです。
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