黒き森の魔狼
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はなく彼は本質的に人ではなかったのだ。
彼は魔界から来た。人の血や肉を求め来たのだ。そして無数の魔物達を従え夜の世界を支配した。
夜狼の遠吠えを聞くだけで人々は震え上がった。村を、町を襲い人々を貪り食った。彼の行く所食い千切られた屍と死の荒野が残された。
その彼を討たんとする騎士もいた。だが皆逆に食い殺される始末だった。彼の居城は食い殺された騎士達の髑髏で飾られていた。
その彼も滅ぶ時が来た。白銀の鎧を着た一人の騎士が彼の城にやって来たのだ。
騎士と狼男の死闘は三日三晩に渡って繰り広げられた。そして騎士の剣が彼の胸を貫いた。こうして夜の世界を支配した魔王は滅んだのである。
彼はその狼男の子孫である。夜間戦に長け奸智の持ち主である。
「そうだ。流石に俺の事は知っているな。伊達にショッカーやゲルショッカーと戦ってきたわけではないようだな」
「だが貴様は仮面ライダーストロンガーとの闘いに敗れ死んだはずだ。何故今ここにいるのだ?」
「ククク、それは貴様も解かっている筈だ」
「何!?」
「我等はこの世に悪の意志がある限り甦るのだ。幾度でもな」
「クッ・・・・・・」
滝は歯軋りした。だが気負される事無くオオカミ長官に問うた。
「何故貴様等はこの人達をさらった?そして下の基地で何をしようとしていた?」
「貴様、狂犬病は知っているな」
滝を嘲笑する様に言った。
「狂犬病は人や獣を狂い死にさせる伝染病だ。それを数十倍に強めた菌を今造っているのだ」
「何ィ!?」
「それを人に植えつける。その者が世に戻ればどうなる?狂犬病で欧州全土を死の荒野に変えてやるのだ」
オオカミ長官は言葉を続ける。
「貴様達がここへ来るのは計算通りだ。貴様等も捕らえ洗脳し狂犬病のキャリアーとしてやろう」
「糞っ!」
滝はオオカミ長官に挑みかかる。だが右ストレートを掴み取られ背負い投げで叩き付けられた。
「無駄だ。貴様ではこの俺は倒せん」
黒服と赤マスクの者達、戦闘員に取り押さえられる。ルリ子も救出された人達も捕らえられていた。
「これで滝和也と緑川ルリ子は終わりだ。狂犬病により醜く狂い死にしていくのだ。さあ連れて行け」
「待て!」
その時だった。横から声がした。力強く低い男の声だった。
「な、貴様は・・・・・・」
太い眉に彫が深くそれでいて底知れぬ知性を感じさせる顔立ちに異様に多く硬い黒髪を持つ東洋人の青年がバイクに跨っていた。黒がかった紺のスーツに空色のカッター、黒と黄のネクタイを着けている。
「済まない滝、ルリ子さん。遅れてしまった」
この若者こそ本郷猛、城南大学で天才科学者、またオートレーサーとして名を馳せた人物である。その能力をショッカーに狙われ改造人間にされたが脱出。そ
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