暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
黒き森の魔狼
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いる様だ。何かしらのBC兵器を造っている様だがそれが何かまでは滝もルリ子も解からない。
 ある部屋に入った。今までの部屋とは違い一際大きな部屋である。部屋の中央に数個のカプセルが並べて置かれている。
 「これは・・・・・・」
 カプセルは透明であった。そしてその中には人がそれぞれ一人ずつ横たえられていた。
 「どうやら行方不明になっていた人達だな。まだ生きている様だ」
 「滝さん、ここにスイッチがあるわ。ドイツ語で『開』って書いてあるわ」
 「押してみて」
 「はい」
 ルリ子がスイッチを押すと全てのカプセルが開かれた。そして中の人は目を開き起き上がった。
 「大丈夫ですか!?」
 二人が身分を明かし優しく声を掛けると最初は驚き戸惑っていた人々は喜びの表情で二人に寄った。そして皆助かった、有り難う、と口々に言った。
 「一体どうしてこんな所に?」
 滝の問いに救出された人のうちの一人が怯えた顔で答えた。
 「夕方にこの辺りを歩いていたら目の前に狼男が現われたんです。そして黒服に赤いマスクとプロテクターを付けた連中に取り囲まれて・・・・・・。気が付いたら貴方達に救い出されたんです」
 皆異口同音にそうだと言った。黒服と赤いマスクの一団の名がまた出てきた。滝とルリ子は顔を見合わせた。やはりこのシュバルツバルトの狼男と本郷がローマで襲われた事件は連動していたのだ。
 「とにかくここをすぐに出ましょう。人の救出を優先させるべきだわ」
 ルリ子の言葉に従い救出した人達を連れ二人は地下の秘密基地を後にした。
 階段を上り噴水を出た。辺りを見回す。誰もいない。
 「さあ行こう」
 その時だった。滝達の周りを謎の一団が取り囲んだ。その手には短い槍がある。
 「ムゥッ!?」
 それは黒い服に赤いマスクの者達、そうルリ子をローマで襲撃し、人々をさらったあの者達だ。
 「流石は歴戦の戦士達だ。褒めてやろう」
 取り囲まれた滝達の前にゆっくりと歩いて来る者がいる。月明かりに白の軍服とズボンが映し出される。手にはスティックを持っている。どうやら相当の地位にある者らしい。頭部を何やら金属のユニットで覆いその頭部は人のものではなかった。
黒い狼のものであった。滝は目の前に来たその男の名を知っていた。
 「デルザーの改造魔人オオカミ長官、狼男の末裔か」
 かって中欧の夜を支配した魔性の者がいた。その名は狼男。漆黒の身体と狼の顔と牙を持つ魔人である。
 欧州全土にその伝説は残っている。満月の夜に月の光を浴び人から変化し生ある者を貪り食う夜の覇者。その変化する理由は呪いとも魔術とも血とも言われていた。
 だが真の狼男は違った。彼は本来の姿が狼男なのであり人の姿が仮のものであったのだ。そういう意味で彼は真の魔物だった。呪いや魔術によるもので
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