黒き森の魔狼
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故ここに?」
「気になる事があって。この城に狼男が出るとか」
「その通りだ。流石に耳が早いね」
「ええ。本郷さんが何か変だって言って。それでここへ来たの」
「本郷?あいつもここへ来てるのかい?」
「いえ・・・・・・」
ルリ子は頭を申し訳なさそうに頭を振った。
「ローマで黒服に赤のマスクとプロテクターを付けた一団に襲われて・・・。私だけ先に来たの」
「黒服に赤のマスク?デルザーの残党か何かかい!?」
「いえ、それにしては動きが素早かったわ。まるで誰かの指揮で動いてるみたいに」
「誰か、ねえ」
滝は察した。このシュバルツバルトとローマでの動きは連動していると。そして何かが動き始めようとしているのではないかと思った。
(何だ?ジンドグマも壊滅した。もう一連の組織は全て滅んだ筈だ)
ゲルショッカー壊滅後その任から離れたとはいえその後の組織の活動とライダー達との戦いを滝は全て知っていた。だからこそ疑念が沸き起こったのである。
(大首領も死んでいる。もう世界をその手に収めようという奴はいない筈だ。それなのに何故・・・・・・)
ふと滝はデストロンを思い出した。あの時首領は生きていたのではなかったか。
(もしや・・・・・・)
「滝さん、どうしたの?何考え込んでいるの?」
ルリ子の言葉に我に返った。そしてふと思い出したかのように尋ねた。
「それで本郷はどうなったの?まああいつの事だから大丈夫だろうけど」
「後で来るって言ってたわ。もう暫くしたら来ると思うけど」
「そうか。じゃあ今はこの城を調べるとしよう」
「ええ」
こうして再会した二人はすぐに古城の中を共に探索する事になった。
結局城内には何も無かった。庭に出て井戸等をもう一度調べてみることになった。
井戸の中も何も無かった。後は庭の中央に置かれている枯れた噴水だけだった。
「もうとっくに壊れちまってるな。それにしてもあの時代によくこんな物造れたな」
素材はよく判らないが高価な石材を使っている様だ。一番上の水の噴出口は狼のレリーフとなっている。
「ここでも狼か。何か妙に縁があるな」
苦笑してレリーフの口に手を入れてみた。ふざけたつもりだったが妙な感触を得た。何か掴んだ様だ。
「?」
引っ張ってみた。すると噴水の一部が急に開きだした。
「これは・・・・・・」
中へと続く階段がある。どうやら下に何かしらある様だ。
「行ってみよう」
二人は頷き合い中へ入っていった。まず滝が入りルリ子が続く。
暗い階段を降りると一本の長い廊下があった。左右に扉が立ち並んでいる。
慎重に一つずつ扉を開けていく。どの部屋にも複雑な機械や資料が置かれている。
何やら薬品の調合器やその製造法を書き表わして
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