黒き森の魔狼
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・・」
ライダーが苦悶の声を出したその時だった。古城は光に包まれた。夜の沈黙を爆発が切り裂いた。
「ライダーッ!?」
それは森の中を解放した人達を連れて進む滝とルリ子からも見られた。ライダーの身を案じ表情が暗転する二人。
「フフフフフ、これで仮面ライダーは死んだ」
オオカミ長官は遠く離れた古城を見下ろす丘の上で笑っていた。
「それはどうかな。あの男の悪運の強さは尋常ではない。これしきの事で死んだとは思わぬ事だ」
ブラック将軍が口を挟む。その後ろにはスプレーダーが控えている。
「フン、あの爆発に巻き込まれ助かる奴はおらん。今頃奴は跡形も無く吹き飛んでいるわ」
「だといいがな。まあいい」
ブラック将軍はオオカミ長官達に背を向けた。
「私はこれで帰らせてもらう。やらねばならぬ事もあるしな」
「人間共の血の採集か。それにより我等の手足となる怪人達がまた地獄から甦ってくるのだな」
「そうだ。また怪人をそちらに送り込む。それまで待っているがいい」
「ククク、楽しみにしているぞ」
ブラック将軍の身体が透けていく。そしてそのまま夜の闇の中へ消えていった。
「さて、後はウィルスの最後の強化をするだけだ。そしていよいよ作戦を決行だ」
オオカミ長官が笑ったその瞬間だった。夜空に空を切り裂く風の音がした。
「ガゴォォォーーーーン!」
何かがスプレーダーを直撃した。スプレーダーは大きく陥没し丘を転げ落ちていった。そして一度起き上がるが前のめりに倒れ爆死した。
「な・・・・・・」
一瞬何が起こったのか解からなかった。だが爆音がそれを教えていた。
「ライダー!?まさか生きていたというのか!?」
スプレーダーに体当たりをかけたのはライダーの乗る新サイクロンだった。空を飛翔する事も出来るこのマシンによる特攻の威力は絶大であり今の様に怪人を葬り去る事も出来る。
「これでウィルスは全て滅んだ。後はオオカミ長官、貴様だけだ」
新サイクロンから降りオオカミ長官を指差す。最早丘の上にいるのは二人だけとなっていた。
赤く禍々しく大地を照らす満月を背にオオカミ長官は立っていた。ライダーを前にしながらその顔は自信に満ちている。
「ククク、ククククク」
「何がおかしい」
「俺はかって中欧を殺戮と恐怖で支配した狼男の子孫、その力は知っていよう」
「それがどうした」
「それだけではない。あれを見よ」
月をスティックで指し示した。
「満月に我等狼一族の力は最も強まる。かって一夜にして国を滅ぼした事もある程までにな」
「ムゥッ」
その力の凄まじさはライダーも感じ取っていた。それは彼が今まで戦ってきた数多の強敵達と比しても遜色無い程であった。
「行くぞ、歯形爆弾!」
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