黒き森の魔狼
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の部下だ。
「童話か、確かにな。狼が出てくるなんてまるで赤ずきんちゃんみたいだな」
「赤ずきんちゃんか。いいですね」
「だろう?さしずめ俺達は悪い狼をやっつける漁師というところだ」
「確かに鉄砲も持ってますしね」
懐に隠し持っている拳銃をポン、と叩く。
「じゃあ行くぞ。狼男はどうか判らんが熊もいるらしい。二手に分かれ一組は森を、もう一組は俺と一緒に城内を探索だ」
「了解」
滝の指示により捜査官達は二手に分かれ捜査を開始した。それを遠くから見る影があった。
「そうか、滝和也が来たか。どうやらインターポールも馬鹿ではないらしい」
地下の奥深く、暗い一室で立ったまま報告を聞く者がいた。
報告をしている者は黒い服に赤いプロテクターとマスクを着けている。彼が片膝を着き報告している姿から前にいる男がかなりの地位にいる者である事が分かる。
「如何致しましょう?このままでは我等のこの地での計画が奴等に気付かれてしまいますが」
「ククク、心配無用だ。滝和也といえどあの古城に隠されたものを見つけ出すことは出来ん。それよりも計画は進んでいような?」
「はっ、全て順調であります」
「ならば良い。決行の日は近い。それまでに間に合わせねばならんからな」
「はい」
「行け。後は適時俺が指示を出す」
「解かりました」
黒服の男はそう言うと姿を消した。後には報告を聞いていた謎の男が残った。
「ククククク、事は全て上手くいっているな。後は決行の日を待つばかりだ」
「そう上手くいくかな」
後ろから声がした。男が振り向くと黒いスーツを着た男が立っていた。
顔から上は影でよく見えない。だが頭部から無数の光を放っている。白手袋をしており葉巻を手にしている。
「貴様か。何の用だ」
「何、そちらの計画の進み具合を知りたくてね。どうやら順調なようだな」
「フン、当然だ。この俺を侮ってもらっては困る」
「流石は誇り高き一族の子孫、と言うべきかな」
「褒めているつもりか?貴様の口からそんな言葉がでるとは妙な事だ。ところであの男は今どうしている?」
「あの男か?ローマで例の二人の手勢と戦っている。ドイツまでは来れんさ」
「そうか。では問題は無いな」
「フッフッフ、怖いのか?」
黒服の男はからかう様に言った。
「馬鹿な事を。俺があの男に敗れるとでも思っているのか?」
「さてな。万が一という事も有り得るからな」
「貴様」
影の男の言葉に軽く身構えた。攻撃するつもりは無い。威嚇しただけである。
「ほお。ここで我等は争っても他の奴等が得をするだけだ。それは貴様も解かっていよう」
「ふん」
構えを解いた。影の男もそれを見越していた様だ。
「流石は軍団きっての
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