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雨が降っても応援だ
第一章

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                雨が降っても応援だ
 ペルーナドームの一塁側スタンドの席に座ってだ、神田愛実は思った。職業はOLで黒髪を長く伸ばしセットしている。童顔で背は一四七程で均整の取れたスタイルだ。
「いつも思うけれど暑いわね」
「ここはね」
 同僚で一緒に観戦している古本牧子も頷いて応えた、黒髪をショートにしていて大きな丸い目と赤い唇が印象的だ。やや面長で背は一五七位ですらりとしている。
「夏はこうよね」
「サウナよね」
「よく言われるけれどね」
「それで春先と秋の終わりは」
 愛実は憮然とした顔で述べた。
「寒いのよね」
「空いているところから雪入るしね」
「今夏で虫は入るしね」
「交通のアクセスも言われてるし」
 この問題もありというのだ。
「何かと評判悪いわね」
「この球場のせいでうちFAで出る選手多いって言われてるよのね」
「まあ選手出るのはね」
 牧子は憮然とした顔で述べた。
「ずっとだけれどね」
「うちの伝統よね」
「秋山さん工藤さん石毛さんからね」
「もう主力が出るってね」
「最悪監督さんまで出たし」
「伊東さんね、それが球場のせいなら」
 それならというのだ。
「何とかして欲しいわね」
「西武スタジアムの頃いい球場って言われてたのよね」
「凄く奇麗なね」
「今じゃこうだしね」
「戻した方がよくない?」
「そう思うだろ」
 二人が話しているとだ、前の席にいたかつての西武のライトブルーの帽子白い獅子が吠えているそれを被った老人が言ってきた。
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