第二章
[8]前話
いつものドッグフードが入っていた、百合子はそれを見て言った。
「持って来たし」
「食ってもらおうな」
「そうしましょう」
「そしてな」
夫はさらに言った。
「これから俺達もな」
「食べましょう」
「それでどんな弁当なんだ」
「これよ」
妻はサンドイッチを出して言った。
「ハムも卵もツナもサラダもね」
「挟んでるんだな」
「もう挟めるのはね」
それこそというのだ。
「全部ね」
「家にあるのを挟んだか」
「そうしたわ」
「そうなんだな、しかしな」
夫はその出されたサンドイッチ達長方形に切られたそれ等を見つつ話した。
「うちでサンドイッチはな」
「そうはないわね」
「ああ、こうした時はいつもな」
「お握りよね」
「そうだからな」
「趣向を変えたのよ」
妻はにこりと笑って答えた。
「今回は」
「それでサンドイッチにしたんだな」
「たまにはいいでしょ」
「そうだな、いつも同じドッグフードのふわりには悪いかも知れないが」
「私達は私達でね」
「食うか」
「そうしましょう、それじゃあね」
笑顔での言葉だった。
「これからね」
「皆で食うか」
「そうしましょう、ふわりもね」
「ワンワン」
ふたりは尻尾を振って応えた、そうしてだった。
一家で弁当を食べた、文太はサンドイッチを食べると言った。
「美味いな」
「そうなのね」
「ああ、サンドイッチもいいな」
こう言うのだった。
「こうした時は」
「そうよね、飲みものは紅茶だし」
「サンドイッチに合わせてか」
「ええ、そちらも飲む？」
「ふわりにもあるか？」
「犬用のミルクがね」
「じゃあそれも出そうな」
夫婦で笑顔で牛乳を出した、するとふわりはそちらも楽しく飲んだ。そうして楽しい食事の時間を過ごし午後もピクニックを満喫したのだった。
犬のお弁当 完
２０２４・１１・２２
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