第七百七十六話 普通にいる幽霊その五
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「世の中を乱す様な」
「物凄い力を持つの」
「そうなのよ」
「だから怖いのね」
「妖怪はユーモラスだけれど」
日本の妖怪はというのだ。
「人を襲ってもね」
「私達の学校妖怪のお話も多いけれど」
アンネットはまた自分達の学園の話をした。
「けれどね」
「それでもよね」
「怖い妖怪さんはね」
「いないでしょ」
「全くね」
「日本の妖怪も他の国の妖怪もいるけれど」
「それでもね」
これがというのだ。
「怖いかっていうと」
「怖くないわね」
「ユーモラスよ」
彰子と同じことを言った。
「愛嬌があってね」
「そうでしょ、けれど怨霊はね」
「怖いのね」
「もう日本の歴史なんてね」
それこそというのだ。
「何かっていうと怨霊が出て来るのよ」
「それで禍をもたらすのね」
「そうなの」
「だから幽霊が怖いんじゃなくて」
「その魂がどうかよ」
「怨霊になれば怖いのね」
「そう」
まさにというのだ。
「その時こそね」
「そういうことね」
「いや、国を脅かす位に」
そこまでにというのだ。
「力を発揮する場合もあるから」
「怨霊は」
「だから恐れられてるの」
日本ではというのだ。
「今もね」
「恐れられてるの」
「御所はね」
帝のおられるこの場所はというのだ。
「内外に何重にもね」
「結界張ってる?」
「そうなの」
こうアンネットに話した。
「今だってね」
「そうなのね」
「風水もそうで」
結界を意識したものでというのだ。
「神道の結界も仏教のそれも」
「張ってるの」
「あらゆる宗教のね、お寺や神社が沢山あって」
御所の周りにはというのだ。
「北東と南西にもね」
「あっ、鬼門と裏鬼門ね」
アンネットはその二つの方向を聞いて言った。
「そうね」
「そう、その二つにそれぞれ延暦寺と金剛峯寺がね」
この二つの寺がというのだ、この時代でもそれぞれ比叡山それに高野山と呼ばれることが多い寺である。
「お寺置いてくれてるし」
「御所を護る為に」
「もう連合のあらゆる宗教の施設があるし」
「御所の周りには」
「メソポタミアとかケルトとかアステカの」
「じゃあエジプトも」
「そう、道教の道観もあるし」
この宗教もというのだ。
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