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八条学園騒動記
第七百七十六話 普通にいる幽霊その一

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                普通にいる幽霊
 アンネットは彰子とアロアに自分が学園内で見た幽霊のことを話した、苺風呂に一緒に入りながらそうした。
「理事長室のお掃除してたのよ」
「ああ、一年の時ね」
「うちのクラスあそこのお掃除になってたしね」
 二人もそれでと応えた。
「あそこも出るのよね」
「初代理事長さんの幽霊が」
「そうなの、その時スターリングと蝉玉とね」 
 一緒に掃除をしていたメンバーの話もした。
「セドリックも一緒だったけれど三人はゴミ捨てとかに行って」
「その時あんた一人だったの」
「理事長室に」
「そうしてお掃除していたら」
 その時にというのだ。
「ふと小柄な昔のスーツ着た口髭の人が来たのよ」
「それでその人がなのね」
「初代理事長さんなのよね」
「今の理事長さんって滅多に学校に来られないでしょ」 
 その人の話もした。
「お忙しいから」
「中央政府国防長官でね」
 アロアが答えた。
「大臣さんだから」
「そう、だからね」
「滅多にね」
「うちの学園に来られないけれど」
「それで主に副理事長さんがお仕事されてるのよね」
「学校のお仕事をね」
「そうよね」
 こうアンネットに話した。
「それに今の理事長さんってお髭ないし」
「すっきりしたお顔立ちでね」
「物凄いイケメンで」
 そうであってというのだ。
「背も高いし」
「連合でもね」
「そうした方だから」
 それでというのだ。
「わかったのよ」
「初代理事長さんって」
「お写真のままだったしね」
 その外見はというのだ。
「だからね」
「わかったのね」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「昔の人って小柄だったでしょ」
「今よりずっとね」 
 彰子が応えた。
「今の連合の平均が一九〇ね」
「大人の男の人でね」
「女の人で一八〇で」
「昔はずっと小さくて」
「大人の男の人で一五五ね」
「その人それ位だったのよ」
「私達より小さい位ね」
 見れば三人共一八〇前後だ、この時代の連合の成人女性の平均身長であり決して低いとは言えない。
「それなら」
「頭一つね、だからね」
「幽霊だってわかったのね」
「初代理事長さんの」
 その人のというのだ。
「穏やかに入って来て紳士でね」
「そうした人で」
「理事長の席に座られて」
 そうしてというのだ。
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