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神々の塔
第八十九話 最後の戦の前にその十一

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「ほんまね」
「地獄見たな」
「それでも一人支えてくれる本当のお友達いてくれて」
「めっちゃええ人と付き合える様になってな」
「今は幸せやけど」
「生き地獄見たのは事実やしな」
 中里はそれでと話した。
「恋愛は怖いもんでもある」
「それもこの世で一番かも知れんね」
「そうでもあることはな」
「よお覚えておかへんとね」
「さもないとな」 
 それこそというのだ。
「ほんまな」
「地獄見るね」
「ああ、恋愛は幸せにもなって」
「不幸にもなる」
「そうしたもんやてな」
「うち等知ってるし」 
 起きた世界での出来事を見てというのだ。
「気を付けてるね」
「人の失恋のことは言わんでな」
「ほんまやね」
「恋愛もな」
 これもというのだ。
「これ以上はないまでに怖い」
「そうしたもんやてな」
「理解してな」
「やるもんやね」
「遠井君の話は最悪の部類やけどな」
「怖い恋愛経験の中でもね」
「一生のトラウマになる様な」
 そこまでのというのだ。
「最悪の話やが」
「うち等に教訓を教えてくれたね」
「今は幸せで何よりやけどな」
「ほんま辛かったやろね」
「誰がそんな経験したいんや」 
 リーも顔を顰めさせて言った。
「そもそも振り方にもやり方があってな」
「相手を傷付けへん」
「周りに言うことでもない」
「そやね」
 綾乃もその通りだと答えた。
「そして告白する様に言うたら」
「言葉には責任があるからな」
 だからだというのだ。
「縁切れと言われてもな」
「切らへんね」
「大体自分の都合が悪くなってな」  
 リーはその言葉に軽蔑を込めて批判した。
「縁切るとか本当の友達か」
「絶対にちゃうね」
「そんな奴は私は大嫌いや」
「皆そやろね」
「二人おったが」
「二人共陸上部の嫌われ者になってるね」
「振った女もな」 
 彼女もというのだ。
「吹奏楽部のな」
「嫌われ者やね」
「ああ、告白を断るならええが」
 このこと自体はというのだ。
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