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神々の塔
第八十九話 最後の戦の前にその十

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「ええ娘もな」
「おるね」
「よお見るさかいな」
「それでやね」
「結婚して」
 そうしてというのだ。
「家庭持って」
「子供も出来たら」
「そう思う時もあるけどな」
「縁がないと」
「どうしてもな」
「そうしたことはないね」
「ああ、まあそれでもな」
 交際も結婚もしておらず家庭も持っていない、そうしたものが幸せの一つと言うならそうでありその幸せを得ておらずともというのだ。
「他にもな」
「楽しいことあるし」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「今は他のことをな」
「楽しんでるね」
「皆でな」
「うちもそうやしね」
「色々な遊びしてな」
「歌を歌ったり踊ったりもして」
「宴も開いてな」
 そうもしてというのだ。
「楽しんでるからな」
「ええね」
「世の中楽しみは一つやない」
 中里は言い切った。
「ほんまな」
「色々あるね」
「こっちの世界でもな」
「そやからね」
「それでな」
 その為にというのだ。
「交際や結婚は縁があったらや」
「その縁を掴んで」
「ことを進めていったらええな」
「そやね」
 綾乃もその通りだと答えた。
「そうなるね」
「ああ、焦ってもな」
「仕方ないね、それに」
 綾乃はここでこうも言った。
「恋愛はこれ以上は泣く怖いもんもであるし」
「失恋したらめっちゃ痛いな」
「もう地獄にも落ちるし」
「八条学園では有名やしな」
「遠井君のお話ね」
「友達にクラスメイトが自分のこと好きやって言われてな」
「告白する様に言われて」
 そうしてというのだ。
「告白したらな」
「振られてな」
「しかも相手の周りの女の子達が騒いで」
「けしかけた連中に遠井君と付き合うなとか言うてな」
「実際に遠井君と縁切って」
「振られて裏切られてな」
「それをずっと囃す人等もおって」
 そうであってというのだ。
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