第百四十九話 文化祭の中のデートその四
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「お二人共葛飾生まれで」
「寅さんとか両さんの」
「そう、それも代々らしいから」
「本物の江戸っ子ね」
「江戸っ子っていっても色々で」
人によって個性がありというのだ。
「チャキチャキと言っても飄々としているつもりでエゴ剥き出しねネチネチしていて」
「凄い嫌な奴っぽいわね」
「そんな人もいるみたいだけれどね」
「お二人はそのままの意味でなのね」
「寅さんや両さんレベルの江戸っ子で」
そうであってというのだ。
「お蕎麦もね」
「噛まないのね」
「そうだっていうわ」
「それが私わからないのよね」
一華はこう返した。
「食べるなら噛む」
「そのまま飲み込まない」
「そうじゃないとね」
「頭の刺激にならないし」
「消化にも悪いから」
「お蕎麦でも噛まないと」
そうしなければというのだ。
「駄目よ」
「関西だとお蕎麦も噛むしね」
「そうよ、だからね」
「デートで行って食べても」
「噛むわ」
「そうするわね」
「絶対にね、あとね」
一華はさらに話した。
「柿もね」
「食べるわよね」
「そうするわ」
「柿いいわよね」
「秋の果物色々あるけれど」
それでもというのだ。
「やっぱりまずはね」
「柿ね」
「私としてはね」
「だからなのね」
「果物はね」
「まず柿ね」
「それを頂くわ」
そうするというのだ。
「一個は絶対にね」
「食べるのね」
「そうするわ」
「お蕎麦も頂いて」
「柿もね」
「そうしていってね、じゃあ私も後でね」
かな恵は一華の話を受けて笑顔で言った。
「鳴海っちとデートに行くわ」
「そうするのね、あんたも」
「折角の文化祭だから」
所謂ハレの時だからだというのだ、かな恵は一華に文化祭がそうした時であることを意識しつつ話した。
「そうするわ」
「あんたもそうするのね」
「そう、だからね」
「私もなのね」
「行ってきたらいいわ」
「それじゃあね」
笑顔で応えてだった。
一華は笑顔でクラスを出た、そしてだった。
農業科の正門のところに行くと横から達川が来て言ってきた。
「同じ時間だね」
「そうね」
達川に笑顔で応えた。
「今来たところだけれど」
「お互いだね」
「よくデートで言うわよね」
一華はにこりと笑って話した。
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