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犬からプレゼントを貰って
第一章

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                犬からプレゼントを貰って
 ナイル=ハービソンくすんだ金髪で眼鏡をかけた緑の目の彼はタイのサムイ島で事業をしつつ犬達の世話をしている、その犬の数は実に多く。
「千匹ですからね」
「多いことは事実ですね」
 手伝ってくれる自分の会社で働いてくれている地元の青年に話した。
「そのことは」
「ええ、この島だけで」
「これだけ困っている子がいるとは」
「深刻な問題ですね」
「タイの」
「折角優しい国民性ですから」
 青年はタイ人として話した。
「もっとです」
「犬にもですね」
「優しくありたいですね」
「人の優しさも及ばないところがありまして」
「こうしたこともありますか」
「そうだと思います、ですが私達が頑張れば」
 ハービソンは優しい顔で話した。
「この子達もです」
「助かりますね」
「そうなります」
 こう言ってだった。
 ハービソンは毎日仕事のかたわら千匹の困っている犬達にご飯をあげていって助けていた、毎日そうしていたが。
「ワン」
「あれっ、今日もですね」
「そうですね」
 ハービソンは青年と一緒にだった。
 焦げ茶色の垂れ耳の雌の大型犬スニッカーズが靴を咥えてやってきたのを見た、そのうえで青年に話した。
「プレゼントを持って来てくれました」
「今日はシューズですね」
「何処からに捨てられていた」
「そうですね、やっぱりです」
 青年はハービソンに話した。
「社長に感謝してくれてるんですよ」
「毎日ご飯をあげるから」
「はい、この子は飼育放棄されて」
「こうして外にいますね」
「そうした子で他の子達もです」
「そうした環境ですね」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
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