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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその三十二

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「相手の人がいたわ」
「そうでしたね」
「間違いなくね」
「あそこまで鈍感なのは」
「わからないわね」
「人の心にも察することが出来て思いやりもある」
 八条、彼はというのだ。
「そうした人ですが」
「人は完璧ではないわ」
 伊東は小柳にこの言葉で答えた。
「誰でもね」
「人ならですね」
「そう、完璧な人なんてね」 
 それこそというのだ。
「いないわ」
「そうですね」
「そして彼にも欠点はあって」
「長官については」
「恋愛に全く以て疎い」
 このことがというのだ。
「それよ」
「欠点ですね」
「そうよ、むしろ欠点が少ない方よ」
 八条はというのだ。
「世で偉人と呼ばれる人も実は欠点だらけだったわね」
「完全な聖人君子はいませんね」
「モーツァルトは天才でね」
 音楽のそれであった、この時代でも彼は音楽の天才の第一人者だったとされている。天才の代名詞ともなっている。
「無邪気で偏見のない性格だったわね」
「そうでしたね」
「けれどね」
「はい、性格破綻者でしたね」
「お金の使い方は出鱈目で」
 ビリヤードで散財してだ。
「奇矯な振る舞いも多かったわ」
「子供がそのまま大人になった様な」
「そうした人だったわね」
「そうでしたね」
「夏目漱石もそうだったわ」
 この文豪もというのだ。
「被害妄想でね」
「暴力癖がありましたね」
「DVがあったわ」
 漱石はそうであったのだ。
「奥さんや子供さんにね」
「ヒステリーを起こしてでしたね」
「これは今ではね」
「大問題です」
 小柳も言い切った。
「離婚いえ」
「傷害罪ね」
「刑事告訴されてもです」
 そうなってもというのだ。
「当然としかです」
「言えないわね」
「はい」
 まさにというのだ。
「何でも息子さんをステッキで激しく何度も打ち据えたとか」
「それはね」
「もうね」
「犯罪ですね」
「立派なね」
 傷害罪だというのだ。
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