第四十二話 プールその三
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「だからお風呂でね」
「肩ほぐしていますか」
「肩凝りは馬鹿に出来ないのよ」
「ただ凝るだけじゃないですか」
「凝り過ぎると頭も痛くなるみたいよ」
「頭もですか」
「そう、だからね」
「肩はほぐしておくことですね」
「いつもね、それで胸が大きいと」
「凝りやすいですか」
「重しになるからね」
肩のそれにというのだ。
「だからね」
「そうなのですね」
「そう、それでね」
真昼はさらに話した。
「男の人が誰もが大きい方が好きか」
「そうでもないですか」
「だからね」
それでというのだ。
「胸の大きい小さいは気にしない」
「そうすることですね」
「まあ誰でもコンプレックスってあるけれどね」
「胸だけじゃないですね」
「よく小柄だったり髪の毛が薄いことでね」
「コンプレックス持ちますね」
「あのカエサルさんも」
ユリウス=カエサルその彼もというのだ。
「有名でしょ」
「あの人は髪の毛ですね」
「そう、薄くてね」
このことは歴史的に有名な話である。
「それでね」
「そのうえで、ですね」
「何とか隠していたのよ」
「それでも言われたんですよね」
「部下の兵隊さん達にね」
凱旋の時に禿の女ったらしが帰って来たと言っていたのだ、カエサルは嫌な顔をしたが寛容な気質を出して咎めなかった。
「言われてたのよ」
「髪の毛のことを」
「そうだったしね」
それでというのだ。
「誰でもね」
「コンプレックスはありますか」
「そうよ、たあそれが強い人と」
「弱い人がいますね」
「その程度はあるわね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「私だってあったし。今は克服したけれど」
「真昼さんもですか」
「髪の毛の色がね」
白華に笑って話した。
「昔はね」
「コンプレックスでしたか」
「そうだったのよ」
「意外ですね」
「いや、けれどね」
それでもとだ、白華に答えた。
「子供の頃はそうだったのよ」
「だから今お話してくれますか」
「そうなの、コンプレックスはね」
「誰にもあって」
「克服出来るものなのよ」
「そうですか」
「もっと言えばね」
真昼は言葉を続けた。
「自分だけのことでね」
「痰から見ますと」
「これといってね」
それこそというのだ。
「何でもないものよ」
「そうですか」
「別にカエサルさんの髪の毛が薄くても」
それでもというのだ。
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