第三十七話 ドクターマンの決断その八
しおりが登録されていません
[8]前話 [2]次話
「今な」
「じゃあどうして言うんだよ」
「だから言ったな、隠しごとは駄目だ」
「だから言うのかよ」
「そうだ、ドクターマンもギアもだ」
彼等はというのだ。
「若しかするとな」
「連中についてか」
「俺達と戦う可能性がある」
こう言うのだった。
「その可能性はゼロじゃない」
「言ったよ、こいつ」
「考えは隠さないからな」
「全く、どうしたものだよ」
「だから何であんたいつもそうなのよ」
鬼頭ははっきりと言った桃井に苦い顔で突っ込みを入れた。
「本当にね」
「駄目か」
「こうした時は言わないものでしょ」
「何度も言うが隠しごとは駄目だ」
「処世術ってあるでしょ」
「そんなもの知るか」
「言霊は兎も角だ」
ラクレスが冷静に言ってきた。
「ドクターマン、それにギアが彼等につく可能性は確かに存在している」
「その可能性はゼロではないのですね」
「桃井の言う通りにな」
こうスズメに答えた。
「それは事実だ」
「それでは」
「その時はだ」
覚悟を決めた言葉だった。
「全力で戦いだ」
「勝つだけですね」
「それだけだ、全ては彼次第だ」
ドクターマンの判断次第だというのだ。
「まさにな」
「それでは」
「彼が我々と戦うことを望むなら」
「私達はですね」
「戦おう」
「そうしますね」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「勝つことだ」
「その時はラクレス様も」
「無論戦う、だが」
「だが?」
「やはり桃井は問題がある」
ラクレスはどうかという顔になって述べた。
「そのことは事実だ」
「だってこいつ本当に嘘吐かないから」
「ありのままにだな」
「本当のこと言ってね」
鬼頭はラクレスに桃井を指差しつつ話した。
「隠しごともね」
「しないな」
「そうだからね」
「問題があるな」
「しかもなおせないから」
「嘘を吐くと死ぬからだな」
「どんな体質か知らないけれど」
それでもというのだ。
「実際何回か死んでるし
「あの、普通一度死にますと」
スズメは鬼頭の今の言葉に首を傾げせて指摘した。
「終わりですよね」
「こいつはその都度何だかんだで生き返る」
ソノイが答えた。
「それで嘘を吐いてもだ」
「生き返ってですね」
「こうしている」
「無茶苦茶ですね」
「だが死ぬのは嫌だ」
その桃井本人の言葉だ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ