第八話 古都でその二
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「豆を入れるのは嫌だがな」
「あっ、そういえば真墨は」
今薪人が気付いて言った。
「グリーンピース食べないな」
「ちょっとな」
その指摘にバツの悪い顔になる彼だった。
「好きじゃない。本当にな」
「それはよくないな。あれは美味いものだぞ」
「兄貴農園にもそれあるんですか?」
「ああ、勿論だ」
凌駕に笑いながら答える薪人だった。
「兄ちゃんはそういうのは何でも作ってるからな」
「成程、それはいいですね」
「野菜は身体にいいからな」
映士はこのことには完全に同意であった。
「頑張って食わないとな」
「その通りね。野菜を食べて健康になろう」
黄色の着物を着た茉莉花も出て来て言う。
「成人病予防の為に」
「いや、その心配はまだいいだろ?」
海が彼女の今の言葉に突っ込みを入れた。
「俺達まだ若いんだしな」
「そうだよ。そんなのは別にさ」
範人も同じ考えであった。
「いいじゃない。特に」
「だといいうけれど」
彼等の言葉を受けてもまだこう言ってみせる茉莉花だった。
「健康は大事よ」
「その通りなんだがな。あと身体を動かすこともな」
軍平はその痩せた身体を見せながら話す。
「俺達は特に身体に気をつけないといけないしな」
「何時戦いになるからわからないからね」
仙一も続く。
「だから余計にね」
「そういうことっすね。それじゃあここで遊んだ後は」
連はそこから先も考えていた。
「京都中を聖杯の探索っすね」
「そうするか、いよいよ」
「見つかればいいけれど」
こんな話をしながら今は映画村で楽しく遊ぶ一行であった。そして相手の面々もだ。実は京都にいた。彼等もまた楽しく遊んでいた。
「やはりええですなあ」
アクマロが満足した顔で平安神宮の花々を眺めていた。
「京都のお花は。見ていて和やかになります」
「和やかになるのはいいでおじゃるが」
ケガレシアはかなり面白くなさそうな顔である。
「ここはわらわ達にとっては物凄く不愉快な場所でおじゃる」
「その通りなり。奇麗過ぎるなり」
「見ているだけで虫唾が走るぞよ」
ヨゴシュタインとキタネイダスも言う。しかし二人共そうは言っても平安神宮のその花々を見て小川のせせらぎも見ている。そのまさに和歌の世界をだ。
「我々は汚れて混雑した世界が大好きなり」
「それでこれはないぞよ」
「そういうことでおじゃる。もっと汚い場所に行きたいでおじゃるよ」
「まあまあケガレシア様」
ここでヒラメキメデスが出て来て彼女を慰めてきた。
「そう落ち込まれずに」
「落ち込んではいないが不愉快でおじゃる」
相変わらず面白くなさそうな顔のケガレシアである。
「こうした場所にいるのは」
「これでも飲んで落ち着いて下さい」
ヒ
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