第二章
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「これだけやってくれましたから」
「功績は認めないとな」
「いけません」
「そうだ、絶対にだ」
まさにとだ、佐々木は加嶋に答えた。
「そうしないと何も出来ない」
「会社の経営も」
「だからな」
「ここは思い切って」
「一段落ついたらな」
今の多忙さをというのだ。
「派遣の人達にな」
「誠意を見せましょう」
「我が社のな」
こう言ってだった。
実際に多忙さが過ぎ去り落ち着いた時にだ、佐々木はある決定をした。
「社内の派遣の人全員をですね」
「正社員にしますね」
「我が社の」
「そうする」
佐々木は会社の役員達に話した。
「今回の危機はあの人達がいてこそ救われたのだから」
「そうですね、確かに」
「派遣の人達がいてくれてです」
「確かに我が社は救われました」
「今回のどうしようもない多忙を」
「功績に報いる、恩義は忘れない」
佐々木は強い声で言った。
「そうしないと駄目だな」
「その通りです」
「起業もそれは同じです」
「そうしたことを守らないとです」
「人の道に背いています」
「そして人の道に背くなら」
それならとだ、役員達も話した。
「信頼を失います」
「信頼を失えば終わりです」
「相手にされなくなります」
「また社員達も離れます」
「そうなるからな、ここは彼等に報いよう」
役員達にあらためて強い声で話した。
「皆正社員に登用しよう」
「そうしましょう」
「そして以後も派遣社員を積極的に正社員にしましょう」
「いい仕事をしてくれたら」
「その時は」
「そうしていこう」
佐々木はここでも強い声で言った、そうしてだった。
彼と彼が社長を務める会社は実際に派遣社員達を全員正社員に登用した、そして以後もその仕事ぶりを見て真面目だったり功績があれば積極的に正社員に登用していった。そのうえで優れた人材を確保して業績を上げていったのだった。
猫の手も借りたいので 完
２０２４・１１・１９
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