第3部
サマンオサ
新しい国
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ンオサの王として圧政を敷いていた魔物ボストロールを倒し、本物の王様が治めることになったこの国は、これから新たな国として生まれ変わるだろう。
「あとはサイモンがいる祠の牢獄の場所がわかれば、この国とはおさらばだな」
相も変わらず王様との謁見とは打って変わった態度を見せるのは、言うまでもなくユウリだ。お城のエントランスまでたどり着くと、扉の前にいる衛兵に扉を開けさせるよう視線で促した。すると特に機嫌を損ねることもなく、衛兵は素直に扉を開けた。
「入国した時と違って、随分愛想がいいな」
「ナギちん。その言い方意地悪だよ」
衛兵に聞こえない程度の声で、ナギとシーラが会話する。確かにこの国に入るときは殺伐としていたのに、魔物を倒してからはお城の兵士たちの雰囲気が変わってきた気がする。
「うわあ、いい天気」
王城の外はさわやかな青空が広がっており、気持ちのいい陽気だった。あれだけ人通りの少なかった大通りも、いつの間にか多くの人でにぎわっている。その人たちの表情も目に見えて明るい雰囲気が現れていた。
「やっぱり城下町はこのくらい賑やかなのが似合うね」
「そうそう。ナギちんもミオちんぐらい気の利いたこと言わないと」
「なんだよ、人の感想にケチつけんじゃねえよ」
私の感想に、シーラがナギに諫めるように答えた。
ひとまず王様から祠の牢獄の場所の情報が届くまで、私たちはこの町に留まることになった。と言っても次の目的地に向かうための準備や魔物との戦いに必要なアイテムの補充位しかやることがないけれど……。
「ねえ、ユウリちゃん♪ ひと段落着いたし、モンスター格闘場に行ってもいい?」
シーラが瞳をキラキラさせながらユウリに懇願する。どうせ止められるかと思いきや、彼もまた目をキラリと光らせた。
「ふん。お前一人だけで行かせたらどうなるかわからん。俺も行く」
いやいや、そう言っときながら本当は自分も行きたいんじゃないの!?
……なんて口には出せず、心の中でツッコミを入れる私。
「ミオちんはどう? 行ってみる?」
「いや、私は遠慮する。それよりもルークのところに行ってくるよ」
あの後体調がどうなったのかも心配だし、何より彼の方からもう一度来て欲しいとお願いされたのだ。なのでこの国を出る前にどうしても会いたい。
「ふーん。じゃあオレも行こうかな。あいつの具合も気になるし」
「ホント? じゃあ一緒に行こうよ、ナギ」
というわけで、私とナギはルークの家に、ユウリとシーラはモンスター格闘場へとそれぞれ向かうことにした。
「えっ、いないんですか!?」
早速ルークの家に向かった私たちは、出迎えてくれたコゼットさんにルークがいるか尋ねると、彼は今朝早く職場へと行ってしまったそうだ。
「ええ。あの子ったら何も言わず、今朝早
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