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八条学園騒動記
第七百七十五話 露天風呂その十二

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「本当にね」
「嫌になるわね」
「もう我慢出来ない」 
 それこそというのだ。
「そんな事態よね」
「遺産全部すって前科もついて離婚もする」
「どうしようもないから」
「夢に出るか」
「枕元に出るか」
「そうしてね」
「織田信長さんみたいに」 
 豊臣秀吉の枕元に出てこれでは自分の息子達が不憫だと言って秀吉を咎めたという話がある、目覚めた秀吉はかなり寝乱れていたという。
「出てもね」
「おかしくないわね」
「そうしたお話多いのよね」
 彰子も言ってきた。
「シェークスピアでも」
「ああ、あの人の作品ね」
「そう、多いでしょ」
「何かあると出るわね」
 アンネットも言った。
「読んでると」
「そうでしょ、悲劇だとね」
「かなりの確率でね」
「出るでしょ」
「ハムレットでも出るし」
 父である前王の幽霊がだ。
「マクベスでもね」
「出るしね」
「リチャード三世でもね」
「好きなのかっていう位に」 
 シェークスピアがというのだ。
「そこまでね」
「出るわね」
「だからね」
 彰子はそれでと話した。
「私もね」
「今言うのね」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「私もね」
「そうなのね」
「だからね」
「今言うのね」
「実際いるしね、幽霊」
「ああ、うちの学園そうしたお話多いからね」
 アンネットも否定せずに応えた。
「私も見たことあるし」
「あるの」
「そう、実はね」
 アンネットは二人に自分がかつて見たものを話した、それはこの時代にも存在しているものであった。


露天風呂   完


                    2024・8・9
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