第百四十八話 本物その十七
[8]前話 [2]次話
「何もない人だったからね」
「しかも不平不満ばかりで」
「天理教の教会でお世話になっても」
「そのことに感謝もしないで」
「逆に天理教の教会の仕組みがどうとか」
「文句言ってたのよね」
「天理教の中でね」
そこにいる人達の耳に入ることは言うまでもない。
「それで誰からもね」
「嫌われたのよね」
「だからあそこの教会でもね」
「よく言う人いないのよね」
「一人もね」
それこそというのだ。
「評判も悪かったのよ」
「私達が今言う位だしね」
「もうここまできたら既にね」
「餓鬼になってるわね」
「あれでしょ、餓鬼って人として生きてるうちにね」
「なるものね」
「そうであってね」
それでというのだ。
「死んで身体も餓鬼になるのよ」
「完全になのね」
「それで住む場所も」
こちらもというのだ。
「が軌道になるのよ」
「人間のうちになるのね」
「徹底的に卑しく浅ましくなったらね」
「富美子そうしたことも言ってたわね」
「多分美奈代さんも言ってたわよ」
富美子の姉である彼女もというのだ。
「あの人いつもアルバイトしないとって言ってるし」
「働いてナンボってね」
「お仕事をしたらお金が儲かって色々勉強になるって」
「そう言ってるから」
「だからね」
それでというのだ。
「親戚の人に言われたみたいだけれど」
「美奈代さんからも言われたかもね」
「そうかもね」
こう言うのだった。
「やっぱり」
「そうなのね」
「その通りよね」
「本当にそうね、餓鬼は最悪よね」
「餓鬼になると思ったら」
その最悪の存在にというのだ。
「ああはなるまいって思って」
「努力しないとって思うわね」
「そこまで堕ちない様にね」
「ええ、幾ら何でもね」
「人でいたいわね」
「ええ、こうしていてもね」
二人で生首の姿で話した。
「これはこれで楽しいし」
「だからね」
「人間でいることよね」
「絶対にね」
「若し人間でなくなったら」
「餓鬼になんてなったら」
「終わりよね」
それこそというのだ。
「もうね」
「その時点で」
「身体が人間でいる間は嫌われるし」
「絶対にね」
「そして身体が餓鬼になったら餓えて喉が渇いて」
「いつも苦しむから」
「それでやっぱり嫌われるし」
「餓鬼にならないで」
「人間でいることよね」
「絶対にね」
二人も餓鬼に対して話した、今二人は極問題の生首に扮しているがそれでも紛れもなく人間だった。そうしてだった。
二人も他の面々も文化祭に参加していた、そうして人間として人間の楽しみを満喫していくのだった。
第百四十八話 完
2024・9・1
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ