第百四十八話 本物その十四
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「それでね」
「餓鬼はこの学園にはいないのね」
「そう、そしていない方がね」
「いいわね」
「そしてならない」
富美子はこうも言った。
「自分はね」
「反面教師ね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうだって考えてるわ」
「餓鬼はそうなのね」
「本当に何で布施餓鬼なんてしないといけないのか」
言葉に疑問符を付けて言うのだった。
「それがね」
「わからないのね」
「屑のなれの果てなのに」
「卑しくて浅ましい」
「いいことなんてしてこなくて徳も積んでこなくて」
そうであってというのだ。
「周りに迷惑ばかりかけていた」
「そんな連中がなるから」
「それで今も自分のことばかりで」
頭の中にはというのだ。
「誰かの為にいいことなんてしない」
「そんな連中だと」
「もうね」
それこそというのだ。
「布施餓鬼で助けるなんてね」
「する必要なくて」
「餓鬼でいる間ずっとね」
それは一万五千年と言われている、その間死ぬことなくただひたすら餓えと渇きに苦しみ続けるのだ。
「苦しめばいいのよ」
「そのまま」
「そう、そしてね」
そのえうでというのだ。
「私達はその餓鬼を反面教師にしてね」
「正しく生きていくことね」
「そうしたらいいのよ」
こんなことを言った、その話を留奈はちらりと聞いてそれで理虹と一緒に極問題の生首を一緒にしつつ話した。
「餓鬼っていないわね、確かに」
「このお化け屋敷にも学園にもね」
「そうよね」
「何かね」
これといってというのだ。
「浅ましいっていうとね」
「確かにそうよね」
「ああはなりたくないってね」
理虹はこう言った。
「思うわね」
「富美子の言う通りよね」
「ええ、色々なりたくないものあっても」
「餓鬼もそうよね」
「そうならない為にも」
「努力しないとってね」
留奈も言った。
「思うわね」
「どうしてもね、しかしね」
「しかし?」
「いや、なる人っているのよね」
理虹は実際にと言った。
「世の中には」
「そうよね、世の中とことんどうにもならない奴いるけれど」
「そうした奴がなるのね」
「富美子が言う様なね」
「とことん酷い奴ね」
「そんな奴がなって」
それでというのだ。
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