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隣にいた凶悪犯
第一章

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               隣にいた凶悪犯 
 休日にだ、一家の父で公務員の石川忠司は妻の雪路と息子で小学五年生の守に笑顔でこんなことを言った。眉は太くきりっとした面長の顔で黒髪をセットしている。背は高い方ですらりとしたスタイルだ。
「今日の晩は外で食べようか」
「何処で食べるの?」
 妻はすぐに確認した。
「それで」
「ファミレスどうだ?」
「近所の?」
「最近行ってないだろ」
「ええ」 
 妻も確かにと答えた、小柄で童顔で黒髪を伸ばしセットしている。
「そうね」
「だからな」
「今日はファミレスね」
「夜はな」
「それでそこで食べるのね」
「そうしよう、守もそれでいいか」
「うん、最近行ってなかったし」
 息子もこう答えた。
「だったらね」
「今夜はな」
「あのファミレス行って」
「そしてな」
「皆で食べよう」
「好きなもの食べていいぞ」
 息子にこうも言った、そしてだった。
 その夜は一家で家の近所のファミレス八条グループが経営しているエイトという店に入った。そうしてだった。
 それぞれメニューを注文した、守が注文したものは。
「カツカレーか」
「うん、それにしたよ」
「私は海老フライ定食よ」 
 雪路はそちらだった、一家で同じ席に着いている。
「それにしたわ」
「お父さんはステーキにシーフードドリアだ」
 父はこの二つだった。
「二人共他に食べたいものがあったらな」
「注文していいんだ」
「最近ここに来てなかったしな」
 わりかし繁盛している店の中で話した。
「それにな」
「それになんだ」
「ああ、たまにはいいだろ」
 息子に微笑んで話した。
「好きなの注文して食べてもな」
「そうなんだね」
「ただしな」
 父は笑顔のままこうも言った。
「残したら駄目だぞ」
「食べものを粗末にしたらいけないから」
「そうだ、だからな」
 それ故にというのだ。
「注文したものはな」
「残さず食べるんだね」
「そうしような」
「そうするね」
 息子もそれならと頷いた、そしてだった。
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