暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第228話:意志はそこにある
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た筈だろッ!」

 単純な怒りとも違う、不安などが入り混じった感情のままに2人に詰め寄るガルドとマリアの気迫に、響は勿論翼達も止める事が出来ず遠巻きに見ているしか出来なかった。颯人は比較的落ち着いている方だが、輝彦と共に傍観に徹するつもりなのかやはり離れた所から4人のやり取りを見ているだけである。

 姉と恋人の気迫に思わず気圧され委縮してしまいそうになるセレナだったが、彼女にも譲れないものがあったので、竦み上がりそうになる心に喝を入れて一歩前に踏み出した。

「ガルド君と姉さんの心配も、分かるよ。2人を不安にさせちゃったのは、ゴメンなさい……でも! 私も、もう皆が傷付いて戻って来るのをただ見ているだけなんて出来ないのッ!」

 真っ直ぐ2人の目を見返して答えるセレナの勢いに、今度は2人の方が逆に気圧されそうになる。だがそれ以上に彼女を心配する気持ちが勝ったのか、2人は引く事無く尚もセレナに思い留まらせようと説得した。

「そうは言っても、あなたは過去に一度死に掛けてるじゃないッ! ガルドが助けてくれたから最悪の事態にはならなかったけれど、もしまたあんな事になったりしたら……」
「セレナがそう思ってくれるのは素直に嬉しい。だがそれと同じくらい、俺達もセレナの事が大事で心配なんだ。もしこれから、セレナが戦いに出て取り返しのつかない怪我をするような事になったら……」

 セレナが傷付く事への不安を口にする2人であったが、その懸念は理解できるのかアリスがセレナの前に出て2人を宥める様に今の彼女の状態を説明した。

「それに関してですが、今のセレナさんは絶対に1人にはなれないようになっているのでそこまで心配する事はないかと」
「どういう事?」
「セレナさんの後遺症の治療と使っているアガートラームは私と共に行動する事を前提にしています。彼女が万全に戦う為には私のサポートを必要とするようにしているので、間違っても彼女が1人で敵と相対するような事は無いでしょう」

 無論、戦いに絶対は存在しない。もし何らかの理由でセレナが孤立するような事になれば、その時彼女がどうなってしまうかは分からない。最悪分断された上で満足に戦えず、敵になぶり殺しにされてしまう危険すらあった。それを無視できるほど、ガルドとマリアは楽観的ではなくアリスの口にする安全策を不足だと詰め寄ろうとした。

 そこで動き出したのが颯人であった。彼はタイミングを見て両者の間に割って入り、これ以上議論がヒートアップする前に話を纏めるべく動いた。

「はいはいそこまで。皆言いたい事はあるだろうけれど、少し落ち着けって」
「ハヤト……でもな」

 尚も食い下がろうとするガルドを颯人は両手を上げて押さえつつ、アリスにセレナの現状について詳しく聞いた。

「母さん、話
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