第二章
[8]前話
「お祓い行って来るな」
「すぐに行かないの」
「一月で消えたらたまたまだろ」
そうした形の痣になっただけだというのだ。
「だからな」
「それでなのね」
「今はな」
「様子見るのね」
「そうするよ」
こう言って実際に状況を見守った、そして。
痣は徐々に消えていき一月経つとだった。
「完全に消えてるじゃない」
「この通りな」
白河は家で今日子に自分の腕を見せつつ話した。
「なくなったよ」
「じゃあ呪いじゃなかったのね」
「祟りでもな」
「それはよかったわね」
「ああ、変な痣とかが出来てもな」
それでもというのだ。
「すぐに呪いとか祟りとか言うのもな」
「よくないのね」
「まずはよく見て」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「やっていくことね」
「そうだよ、そりゃ一月で消えなかったら」
その時はというのだ。
「もう僕だってな」
「お祓い行ってたのね」
「そうしてたよ、けれどそうじゃなかったから」
だからだというのだ。
「よかったよ、じゃあ痣は消えたし」
「よかったわね」
「本当にね」
笑顔で言った、そうしてだった。
白河はすぐに痣のことを忘れた、それは今日子も同じで話題に上げることすらなかった。周りもそうで誰ももう言うことはなかったのだった。
不気味な痣 完
2024・11・16
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