第一章
[2]次話
イクラ丼と母
小学四年生の石上時貞は魚介類が好きである、四角い顔で素朴な顔立ちで黒髪は短い。背は同級生の中では高い方だ。どんな魚介類もどんな料理も食べる、これは彼の両親譲りであるが。
特にイクラが好きだ、それでこの日の夕方母の忍細面で黒髪をポニーテールにした切れ長の二重の目と細面で長身のすらりとした彼女に言われ思わず飛び上がった。
「イクラ丼なんだ」
「そうよ、イクラは沢山あるからね」
母は喜ぶ息子ににこりと笑って答えた。
「だからね」
「沢山食べていいんだ」
「お腹一杯食べなさい」
「そうするね」
笑顔で言った、そしてだった。
時貞は夕食を楽しみにして宿題をした、宿題が終わるとゲームを楽しんだ。そしてサラリーマンの父の時頼息子に遺伝を受け継がせている外見の彼が帰ってだ。
夕食となった、父もイクラ丼を見て笑顔になった。
「いいな、これは」
「そうでしょ」
母は笑顔で応えた。
「だからあなたも沢山食べてね」
「そうしていいんだね」
「ええ」
満面の笑顔での返事だった。
「是非ね、イクラは沢山あるから」
「だからなんだ」
「それでご飯もね」
こちらもというのだ。
「沢山炊いたから」
「お腹一杯食べられるね」
「二人共そうしてね」
笑顔で言うのだった、そしてだった。
時貞も時頼もイクラ丼を楽しんだ、だが。
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