第八十七部第四章 首相官邸にてその二十四
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「もうね」
「ご結婚をですね」
「して欲しいわ」
「総理としても」
「彼の元上司そしてね」
「師としてですね」
「思うわ、八条家の方でも」
再び彼の実家のことを話した。
「かなりね」
「考えていますね」
「あちらが一番ね」
「切実だからですね」
「八条グループの次期総帥でね」
「家の次期当主ですね」
「連合屈指の企業グループそしてその経営する一族のトップよ」
それ故にというのだ。
「どうしてもね」
「切実に思いますね」
「思わなくてはね」
それこそというのだ。
「その方がおかしいわ」
「そうですね」
「だからね」
それでというのだ。
「あちらがね」
「一番ですね」
「切実よ、さもないとね」
「総帥、当主がですね」
「生涯独身ともなれば」
それこそというのだ。
「困るわ、家は続いても」
「本家に分家とありますので」
言うまでもなく八条は本家の者である、本家の嫡男である。
「長官が結婚されず」
「子供がいないままでもね」
「後継者はおられますね」
「それこそ何人でもね」
「左様ですね」
「ええ、けれどね」
「それでもですね」
「そう、やっぱり第一の後継者に家族があって」
「お子さんがおられる」
「これだけでね」
まさにというのだ。
「違うわ」
「そうですね」
「家の後継者という考えは古いと言われても」
そう言われて千年以上経っている。
「けれどね」
「それでもですね」
「そこはね」
どうしてもというのだ。
「家によるわ」
「皇室を見てもわかりますね」
小柳もこの家のことから述べた。
「皇室の後継者のことはです」
「切実ね」
「皇族の方に伴侶がおられませんと」
どうしてもというのだ。
「そのことは」
「深刻ね」
「はい、極めて」
「八条家は君主ではないけれど」
「連合屈指の企業グループの経営家なので」
「それも長い歴史を持つね」
それだけにというのだ。
「どうしてもね」
「そこが問題で」
「伴侶が必要よ」
こう小柳に話した。
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