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学生の弁当
第三章

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「私は別に他のものが入っていてもね」
「お握りだといいのね」
「十六穀物でもで」
 そちらのお握りもよくてというのだ。
「それでね」
「他のお握りもなのね」
「いいから」
「兎に角お握りね」
「そう、お握りよ」
 大事なものはというのだ。
「それがあるかどうかだから」
「こだわりね」
「子供の頃から大好きで」
 お握りはというのだ。
「それでね」
「今も大好きだから」
「お握りがあればいいわ」
 そうだというのだ。
「それだとね」
「じゃあ今度十六穀入りで握るわね」
「楽しみにしているわ」
「麦飯の時もいいわね」
「勿論よ」
 その時もと言ってだった。
 純は昼の弁当でお握りを食べていった、そして十六穀入りのものもだった。
「美味しいわ」
「普段のお握りじゃなくても」
「こちらもね」
 今日も一緒に食べる真澄に笑顔で答えた。
「好きよ」
「そうなのね」
「お握りがね」
「好きだから」
「どんなものでもね」
「白いご飯でなくても」
「好きよ」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「それで今もなのね」
「美味しくね」
「食べてるのね」
「こうしてね」
 笑顔で言ってだった。
 純はお握りを食べた、そのお握りは美味しく一口食べただけで自然と笑顔になることができたのだった。


学生の弁当   完


                 2024・11・15
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